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カテゴリ:中国という国
双井のカルフールに電磁調理器を買いに行く。
そんなに値段の高くないのを購入しようと思っていたら、 横から店員が出てきて、料理に使うのかと聞いてきた。 「そうだ」と答えたら、 「こっちのはよくない。すぐに表面が黒くなるから」とか何とか言って、 100元くらい高いのを勧めてきた。 自分の店で売っているものにダメ出ししてまで、 そっちの商品を売りたいどんな理由があるのかなと思った私は、 お金の準備もしていなかったし、店員の話があんまり聞き取れなくて面倒になったので、 あとでまた来るといってそこを後にしたのだけれど、 ちょっと冷静になって考えてみたら、 今店員が言ったのは中国では結構道理のあることなのかもしれないなと思い始めた。 以前、中国人につきあってもらって、 電機街・中関村にピンマイクを買いにいったことがあった。 店で何種類かを開封して現物を確認させてもらって、う~ん、と悩んでいたところ、 一緒に行った中国人の女の子から、 「高いの買わなきゃダメだって。安いとすぐ壊れるし」との忠告が。 そりゃあそうだと思い、高いほうを購入する。 なまじ日本のような質の高い製品が流れる市場に暮らしていると、 自分の使用頻度やレベルが価格に見合うものかを自然と考えてしまうのだけれど、 それはクオリティが高いものをいかに安く供給するかという 市場の背景があってこその発想。 どう考えてもここの市場にその発想があるとは思えない。 いいものは高いからいいという証明になる、というのが大方の流れのようである。 ことに機器類に関してその傾向は強い。 買ってすぐ壊れるよりマシ。 そう思って、結局私は、中国を代表する電器ブランド・美的(Midia)の調理器を買ってしまった。 当初目をつけていた調理器よりかなり高い値段だった。 空調設備を24時間体制で修理にあたるという、 中国においては画期的なサービスを展開して話題になったこともあったし、 以前住んでいたところでもガスコンロがここのだったことがあって、 私自身、美的と聞くと、信頼できそうな気がしてくる。 物は多くても、何がよくて何が悪いかの指標がいまだ曖昧な土地にあって、 ブランド名は購買の依りうる標(しるべ)である。 その意味で、中国人のブランド信仰は道理があるように思えてくる。 言い換えるなら、まだまだ「中国」の産業のほとんどが、工場の段階で、 ブランドに上り詰めていないということだと思う。 多分、今「中国製」という名前に惹かれて購入という理由は相当低いはずだ。 外資の製品がひしめきあい、同じ商品ケースに並ぶ市場で、売り場の従業員から、 「この中国ブランドはいいよ、安いし、おまけ機能が充実している。 当然、めったに壊れたりしないしね」なんて言葉が出てくるには、 あとどのくらいかかるのかなあ。 そうなったら日本は本気でうかうかしてられないんだろうけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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