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カテゴリ:日記
異国の地で女がこんなフリーランスちっくなことをしていると、
なんだかとんでもなくすごい人間に思われていて戸惑う。 確かに今仕事をサポートしてくれている会社は私の会計と法務を担当しているものの、 別に私に出資してくれているわけではないので、 私が生活の糧を得るには、自分で稼ぐしかない。 稼げてようやく私の懐にお金が入ってくる。でなけりゃ貯蓄を削るまで。 これは自営業の人ならみな一緒。日本だろうが中国だろうが。 一見リスキーそうだから「後ろ盾もなく、よくもまあ」と感心されるのだけれど、 よく考えて下さいまし。 まず、ここ、中国です。 もし日本でおんなじことやっていたら経済的困窮の圧力に押しつぶされるだろうけれど、 この国では贅沢さえしなければ生きていられないなんてことはない。 安い値段でちゃんと食事できるから、 精神的にみじめな気持ちになることもあんまりない。 よって経済的プレッシャーは、周囲が思うほどはない。 第二に、私の仕事はリスクが少ない。 基本的に私がいて、電話とパソコンとその周辺機器があれば、立ち上げられる。 その他ハードに関しては、他人のお宅を間借りするだけだし、 物件を確保して、設備投資をし、商品を仕入れ、人を雇い入れて お店をやっている男性経営者の方がよっぽど勇気があると思う。 そんな背負い込むものが少ない状態で、おまけに、あるのはビジョンだけ、 いまだまとまった収入なしの私に対し、 すごいと言われてもどう反応していいのかよく分からない。 さらに「そんなすごいことやって…」と言うのは、ほとんどが男性。 ほぼ蓄えを使い果たしている私より、地位も財産もあるはずの人にそう言われると、 ねえ、世の中って結果出さないと評価されないんじゃなかったっけ? 私、典型的な稼げないビジネスマンなんですけどぉ。 もし日本にいたら、私なんてニートに毛の生えたみたいな状態にしか 認識されないはずなんですけどぉ、とますます妙な気分である。 先日、ある友人(男性)が 「北京のどこに行ってもお前(=私)はスゴいって話になるんだよ、 みんな言うんだよぉ」と言うので、 一体具体的に何がすごくてすごいって言うワケ?と質問してみたら、 「何だろねえ?わかんねえ。じゃあ、今度何がすごいか誰かに聞いてみるわ」 …って、そりゃ何だよ?ともかくすごいって言葉の裏には根拠がない。 根拠のない形容詞が一人歩きして、 私という実態からどんどん離れていく可能性が高いのも、 ひとり大和撫子の宿命なのか。う~む~。 北京の日本人社会は何分狭い。噂が流れるのも多分あっという間に違いない。 このまま行っちゃったら、人に会う前から 「なんかすごいらしいぞ」という先入観を持たれて、 実際会って見たら「こいつ、何にもできないじゃないか!」と、 別の意味で“私はすごい”という実証をしそうである。 お願いだから、やみくもに「すごい」って形容詞つけるの、やめてくれないかな。 これでも結構繊細なんだけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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