西紅柿 吵 冗談

むせ返るような暑さが一段落し、やっと高原の夏らしくなった昨日

朝から申し合わせたように、あちこちで草刈り機の音が鳴り響いていた。

「 やけに音が近いな 」 と思っていたら

そのうちの１つは、うちの隣の別荘のものだった。

タマに朝飯を食べさせてから、畑に降りて野菜の収穫をしていると

隣で草刈をしていた人の 「 一休みしようや 」 という声が聞こえた。

西紅柿が畑を一回りしていると、そのうちの一人が

草刈氏　「 たくさん採れますか？」

と声をかけてきたので、挨拶を交わしていると

うちの畑の隅に積んである切り倒した桜の幹を見て

草刈氏　「薪にするなら早く割らないと、固くなるよ。」

 

西紅柿　「うちでは使わないので、捨てようと思っているんです。」

 

草刈氏　「桜なら欲しい、という人がいるから

声をかけてあげようか？」

 

西紅柿　「お願いします。」 m(_ _)m

そんな会話をしたあと、しばらくすると別荘の駐車場には

刈り取られた雑草が山になって積み上げられていたが

それも、お昼ごろにはきれいに片付けられて

隣の別荘は、見違えるようにきれいになった。

夕方、その別荘に明かりがついていたのを見て

配偶者　「 今日こちらへ来るから、慌てて草刈りを頼んだんだろう。」

今朝、玄関チャイムが鳴るので出てみると

その別荘のご主人が立っていて

ご主人　「 昨日来たら、庭がきれいになっていて

びっくり したんですけど

誰がやってくれたのか、ご存知ですか？」

 

西紅柿　「 え？　こちらへ見えるので、頼んで

刈ってもらったんじゃないんですか？」

 

ご主人　「 いいえ、違います。」　

どうやら、 庭の手入れを頼まれた人が、家を間違えたらしい。

だからと言って、料金の請求もできないだろう。

この別荘の方は、いつもご主人が手作業で草を取っていたのに

今年はまさに、丸儲け～！