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日常あるいは乗馬な日々♪

日常あるいは乗馬な日々♪

再戦を誓う男がいる風景。

(その5)


雪の中をざっぽ,ざっぽと進みながら,次第に林の中へ分け入っていく。
道がありませんけど。
でもって,草の代わりに木の枝が張り出してきますけど。
あ,やっぱりそのまま進むのね。。。




オーナーさんは,龍ヶ崎から来ていたお客さんの話とか,ウチの系列の人たちは全国からやってくるとか,とにかくいろんな話をしてくれた。
結構話し好きだな,オーナーさん↓




雪中行軍。






白樺の林を,常歩でゆったりと進んでいく。
ふと,オーナーさんが左手を上げて,一本の木を指さした。
かなり高い木なのだが,てっぺんから根本まで,ゆるやかな螺旋を描きながら縦に溝ができている。
なんじゃろね?
オーナーさんいわく,「これは雷が落ちたの。」だって。
うぉ,すげぇ。
木の幹を伝うようにして落ちたらしい。


さらに進むと,今度は「あれあれ!ほら,鹿!」
なぬっ?!
慌てて指さされた方を見るが,そのときにはすでに鹿の影も形も見えなかった。
鹿は,もともと人間が嫌いだから,ちょっとでも近づくとすぐに逃げてしまうらしい。
そのあたりまで進んでいくと,真新しい鹿の足跡が雪の上に残っていた。
大自然のまっただ中での外乗ですな。




しばらく進むと,またコロ助がそわそわし始めた。
ははん?
そろそろ駈歩ポイントなわけね。

オーナーさんは,もういちいち言わない。
こっちをちらっと見ただけで,あとはすぐ駈歩。
ほいきた!とこっちも2ポイント(笑



ただ,さっきまでと違うのは,障害物が多いのなんのって。
割と丈夫な木の枝があちこちから張り出しているし,大きな石もごろごろ。
それを軽く蛇行して避けつつ駈歩するもんだから,ちょっとでも気を抜くと命取りになる。

馬たちは自分が通るスペースさえあればいいのだが,鞍上はそうはいかない。
肘,腕,肩,膝,すね。
枝がピシピシ当たる。
中途半端な高さの枝は,身をかがめながら通過。
あれだな。
この外乗はゴーグルだけじゃなくて,フルフェイスのヘルメットあった方がいいな。


しばらくすると,今度は若干の高低差も出てきた。
相変わらずコロ助のスピードを抑えることはできないし,かなーりヤバイんですけど。
オーナーさんはよくもまぁ普通に座っていられるもんだと,何気なく見てて,ふとあることに気づいた。
枝を避けるときや,斜面を下るときとかに,かなり上体を反らせている。
前傾することがない。

なーるほどー。
そこまで反るから乗ってられるんだな。
ふむふむ。



ま,こんなことを考えながら乗っていられたんだから,スリリングではあるが,一杯一杯てわけでもなかった。
適度な緊張感があって楽しいぞ。


しばらく(※ここの駈歩が一番長くて,スリル満点だった)走り続け,ようやくオーナーさんが常歩したころ,アスファルトの道路に出た。
右手を見ると,来るときに入ってきた「長門牧場」の看板と,牛の親子の像がある。
あー,こんなところに出るんだ。


ここからは,またしばらく常歩。
ゆっくりと進みながら,コロ助たちは蹄鉄を付けていない話とか,この辺の雪は4月下旬まで残るとか,昨日は-6度まで気温が下がったとか,まーいろんな話をしてくれる。

・・・客が私一人だから,気を遣ってくれてたのかな。



えんじ色の屋根のレストハウスや,車を停めた駐車場の辺りを抜けて,またなだらかな斜面の牧草地をゆっくり歩く。
いい眺めだなぁ。
やっぱり思い切って来てよかった。




進路の右手側は結構急な斜面になっており,高さのある木がたくさん植わっている。
そのはるか下の方に,スタート地点の牧草地が広がっていた。
そのときにふと,源義経が壇ノ浦だっけ?馬で斜面を駆け下りて,平家方の意表を突いた「ひよどり越えの逆落とし」の話を思い出した。
ほんとかどうか知らないが,おっそろしく急な斜面を鹿がぴょーん,ぴょーんと降りていくのを見て,「鹿も四つ足,馬も四つ足。我に続け!」とかいう無茶苦茶な理論で前記の作戦を決行したんだとか。

オーナーさんの話もちょうど鹿の話になっていた。
もう少しすると鹿の角が生え替わる時期になるので,外乗の途中で拾うこともあるらしい。
で,そのときのお客さんにプレゼントする,と。
いいなー。
私も欲しいなー。
その辺に落ちてたりとかしないかな,とキョロキョロしだしたら,オーナーさんがついっと右へ方向転換。


おいおい。
そっちは崖ですがな。


・・・・・・。
まさか,ねぇ。




「・・・・・・・(おそるおそる)ここから降りるんですか?」

「えぇ。近いので。」



マヂでっ?! ΣΣ( ̄ロ ̄lll)
近い遠いの問題じゃないよ,この傾斜は!
乗ってるのは鹿じゃなくて馬だし,だいたいにおいて私は義経なんてそんなかっこいい名前じゃありませんがっ?!

人違いですよっ・・・て,声に出せたらどんなに楽だったか。



オーナーさんの背中があっという間に視界から消えた。
コロ助,自動追尾。

これ降りるのかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!

ありえねーーーーーー!!(涙





もうね,上体を目一杯反らせるどころか,コロ助の上で仰向けに寝るくらいの勢い。
でも,そこら中に太さ10センチ以上の木があるもんだから,油断してると膝をぶつけてしまう。
上体を反らせつつ,でも,手で木を押さえつつ,ゆっくりと降りていく。
これを普通に降りていくってことは,コロ助的にはいつもどおりなんだね。。。





どーにかこーにか降りきって,大きく息を吐いたところで,本日の外乗は終了。
そのままのんびりと洗い場に戻る。
コロ助から降りて,腹帯をゆるめてあげる。
のほほんとしているところを見ると,たぶん,走り足りなかったんだと思う。





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いやー,堪能しましたわ。
エキサイティング雪山外乗in長門牧場。
70分コースでこれなんだから,半日コース(2時間半)はもっとすごいことになるわけか。


今度行くときは,普通の手袋,ゴーグル,できればフェイスマスクを持って臨むようにしよう。
ついでに言うと,前泊の方がいいな。
前日に長野入りして,どこかの温泉宿に泊まってのんびりして,翌日朝から外乗。
よーし。
次回はちゃんと計画を立てて,ドタバタしないようにしよう!

オーナーさん,コロ助,年内にまた行くからねーーー!!
(今度はきっちり収めて乗ってやるっ)







                         (おしまい)






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