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2014.12.23
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カテゴリ:日誌
カリニ肺炎として久しく人口に膾炙されてきた病名であるが,菌名がPneumocystitis jiroveciiに改訂されたことでニューモシスチス肺炎と呼ばなければならなくなった.不便なことである.Wikipediaの情報によれば,ニューモシスチス肺炎の略号はカリニ肺炎の時のままPCP (Pneumocystis pneumonia)でも良いそうである.
そもそも,献名の由来となった寄生虫学者オットー・イーロヴェッツの業績を何も知らなかったので,これもWikipediaで辿って調べてみた.

Otto Jírovecは,チェコ共和国出身の寄生虫学・原虫学の教授だそうである.(私は勝手にイタリア人だと誤解していた!) 1907年1月31日にプラハで生まれ,1929年にプラハ・カレル大学理学部で学位を得,1930-32年まで講師,1933年には准教授に昇進している.第二次世界大戦中は国家健康局の寄生虫検査所の部長を勤め,戦後は大学のポストに復帰して,1948年に改めて母校の准教授となった.1949-52年までJírovecは動物学教室を主宰し,後には動物学研究所長となった.1954-61年までチェコ科学アカデミー寄生虫研究部門の代表を務めた.研究面では,特に原虫の研究に専心し,温帯および熱帯地域の原虫感染を扱った.最も重要な発見は,言うまでもなくニューモシスチス肺炎の病原菌を発見したことで,病理学者のVaňekと共に1953年の論文に正式に発表している.おそらく初出の論文は下記の出典と思われる.研究者・教育者として幾多の業績を挙げ,1972年3月7日に亡くなっている.

Vaňek J, Jírovec O. [Parasitic pneumonia. Interstitial plasma cell pneumonia of premature, caused by Pneumocystis carinii]. Zentralbl Bakteriol Parasitenkd Infektionskr Hyg. 1952 May 12; 158(1-2): 120-7.

偉大な寄生虫学者としての業績である.ニューモシスチス肺炎ではなく,斯界の権威を敬してイーロヴェッツ肺炎と呼ぶ方が適切ではないかと思う.

pneumocystosis_pneumonia_01

pneumocystosis_pneumonia_02





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Last updated  2014.12.23 00:53:02
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