暮らしのノート　～自然なままに～

一年ほど前に、旦那さまのオメガの時計が動かなくなりました。
自動巻きのスピードマスターで、６年程前に購入したものです。
秒針とストップウォッチは動くのですが、短針と長針が止まったまま・・・
これでは時計として使えません。

購入した時計店に持って行っても、過去に事例がないということから、理由はわからず、
動く保障はないが、まずはオーバーホールが必要なので、メーカーに出すとのこと。
それだけで、５万円は掛かります。
ロレックスなどの高価な時計は、定期的なオーバーホールが必要と聞き、
維持費も掛かるもので、やっぱり裕福な人じゃないと持てないなぁと
思っていましたが、オメガも・・・

動く保障もないのに、そんなお金は出せません。
どうすることも出来ず、壊れたまま、ずっと置いていたのですが、
先日、TV番組で【我が町のすごい職人】的な企画をやっていて、
「どんな高級時計も修理できます」という、時計職人のおじさんが出ていました。
そしてそれは、私の住む町のお隣の町の時計店の職人さんだと分かり、びっくり。
これは、職人さんのお店を探すしかありません。

古びた静かな商店街に、その小さな時計店はありました。
お店の中を伺うと、あのおじさんが・・・

旦那さまが、時計の事情を説明して（あまり聞いてはおられないようでした；）
その時計を手に取った職人さんは、
あれこれ、専門的なことをいい、手際良くねじを取り、時計の中を開けました。
その中には、心臓のように、ぴくぴく動いている歯車が。
時計の中など見たことのなかった私は、とても感動しました。
『機械自体はとても元気で、あるネジとネジの間が微妙にかみ合ってなさそうだ』

という診断をだし、「これは、動くよ」と、あっさり言っていただきました。（感激；
職人技に、旦那さまと二人、顔を見合わせて「すごいねー」のアイコンタクト。

料金は・・・３万５千円。我が家にとっては痛い出費ですが、
大きな時計店でメーカーに出せば、もっと出費だっただろうし、
修理できるか分からないという不安もありました。
神業ともいえる職人技によって、きれいな油を挿してもらって、
一週間後に戻ってくる予定です。