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テーマ:闘病日記(4028)
カテゴリ:父のこと
死の2週間前くらいに 父に買ってもらった野球バカ息子のバット 片時も離さず 一緒に寝るほど大事にしていた 父も じいちゃんだと思って大事にしてくれよ なんて話していたっけ 父が亡くなった時さえ 息子は父の手にバットを握らせていた バットには父の名を刻み それはそれは大切にしていた宝物 そのバットが無くなった 今日は二軍の練習試合で 学校へ戻った時には どんなに探しても見つからなかったという 球場に行き探したが見つからず 狼狽した息子が帰って来た 自室に閉じこもり ウオンオウン声を上げて泣いた 責めても仕方ないが どうしても優しい言葉が出てこない あれは特別なバット じいちゃんの形見 同じものはどこにもない 特別なバットなの 吐き捨てるように言ってしまった そんなことは息子が1番わかっている 誰かが間違って持ち帰ったか それとも故意に持ち去ったか それはわからない 実家へ用事があり連れて行くと 息子は父の遺影を抱いて またウオンウオン泣いた 心配した母が しょうがないよ 明日になったら出てくるかもしれないし じいちゃんは怒ってないよ またばあちゃんが買ってやるから そういうと一層激しく泣きながら じいちゃんのバットじゃなきゃダメなんだと 大きな身体を震わせた 父と息子のバット 心無いイタズラなら 返して あの時の父の顔、声、 全て鮮明に思い出せる あのバットは私にとっても 大切なもの どうか出てきますように お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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