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町のホルモン屋さん 山田ホルモンの若旦那

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2004年10月18日
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昨日の夜、またもやスン君から電話があり、「明日時間が合えば一緒に食事でもしないか。」との誘いの電話があった。もちろん喜んでその誘いにのった。待ち合わせ場所は凱旋門があるドゴール広場である。「シャンゼリゼを散策しながらゆっくり来ればいいよ。」さすがスン君、待ち合わせ場所まで凝っている。

明日は朝の9時から飛行場に向かうので、今日はパリでゆっくりできる最後の日である。午前中は買い忘れたお土産を買いにラファイエットに向かった。実は昨日から目を付けていた若旦那お気に入りのマフラーがどうしても欲しかったのだ。

(若旦那)「これ、買ってもいいかな。」私は若女将におそるおそる聞いてみた。(若女将)「親類や家族にお土産を買ってあげたけど、自分たちに記念になるものは何も買ってないんでいいよ。」と言ってくれた。

喜々として、私たちは一路シャンゼリゼ通りを目指した。凱旋門からコンコルド広場に至るまでの全長1880mの大通りである。散歩コースにもってこいの並木道通りを過ぎると、カフェやブティックなどが軒を連ねる。あのルイ・ヴィトンのお店は休業中であったが、どでかいヴィトンの柄の看板がパリの景観を壊しているようであった。あんなに厳しいパリの看板規制もヴィトンには何も言えないのか。

待ち合わせ場所に着くとオギとはすんなり会うことが出来た。スン君は学校から直接向かってきていると言うのだが、人通りが多いためすぐには見つからない。しばらくすると、雑踏の中悠々とプジョーの袋を片手に、ポルシェのサックをからったスン君が歩いてきた。もちろんジャケットはポールスミスである。カッコいい。

私たちが、ここに来て一度も美味しいフランス料理を口にしてない、と聞くとオギは、「この店が美味しかったよ。」と昼食を誘ってくれた。鍋やスプーンを装飾品に見立てた、牡蠣が美味しいと評判のおしゃれなレストランである。

オーダーはフランスに2年滞在しているオギが担当である。滑らかなフランス語で注文してくれた。やっと本物のフランス料理を心置きなく食べられる若夫婦はご満悦である。

料理の後のコーヒーはスン君が注文してくれた。照れくさかったのか、私達が知らぬ間にさりげなく注文をしてくれていた。コーヒーも終わり、まだ止まぬ話題の中、若女将はみんなのコップに水がないのを気遣ってボトルを持ち上げた。その瞬間スン君は血相を変えて。「俺がするよ。」とヒョッとボトルを受けみんなに水を注いでくれた。

スン君曰く、フランスではレストラン等で女の人が水を注いでくれるのはおかしいらしい。特に『レディーファスト』は守られ、狭いドアを通る時は必ず女の子が優先だ。スン君はフランスの文化までも身に付けてしまったのだ。

食後シャンゼリゼ通りを散策している途中、オギが私に「何か記念になる物でも買った?」と聞いてきた。私はマフラーを買ったと嬉しそうに答えたのだが、よく考えたら若女将に記念になるようなものは買っていなかった。

スン君とオギは気を利かせてくれて、ルーブル美術館の地下にあるショッピングセンターに案内してくれた。スン君夫婦と若夫婦4人で記念撮影後、2組は惜しみながら別れることにした。

若女将は何を買えばいいのかを決めあぐねていた。私はせっかくだから日本にはないようなアクセサリーを買ってはどうかと、アクセサリ売り場に足を運んだ。恐らく日本にないようなクリスタル製品が並ぶ一角に可愛いネックレスを発見した。2つくらい目星をつけると何度か着けてみてやっとお互いの記念品を購入したのである。

この時点で若夫婦のパリ旅行は終了するのであった。当初フランスの名所を多数散策する予定だったが、私の提案でパリだけを十分に楽しむことにした。またフリープランにすることで観光客が滅多に入らない路地裏等を体験することが出来た。もちろん二人にとってのこの経験はかけがえのない財産として記憶に残るだろう。(おわり)





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最終更新日  2004年10月29日 10時24分12秒



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