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町のホルモン屋さん 山田ホルモンの若旦那

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2004年12月04日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
今日は新居に友人を迎える日。若女将は朝からそわそわ、洗濯や部屋の掃除に余念がない。友人と言うのも私の高校からの親友で、よく一緒に飲みに行く『悪友』とも言える二人である。

とはいうものの、私達の結婚式の前夜祭では幹事をしてくれたのも、この『悪友』であり、結婚式が終った後も焼肉をご馳走してくれて、博多の屋台に連れて行ってくれたのも、この二人である。

その御礼というわけではないが、お世話になりっぱなしの二人に、何か持て成してやりたいという若女将の提案で、私の家で焼肉をすることになったのだ。

家で焼肉をするといっても、山田ホルモンの若旦那である。単純に肉を焼くだけじゃ、勿体無い。この機会にいろんな物の味を見てもらう事にした。

という訳で、今日の焼き物は全10品である。まず塩ものであるが、もちろんミートミーツ特製の『塩然』で味付けである。新商品の『塩然コリタン』にまだ検討中の『塩然ミノ』、『塩然ハチノス』に『塩然ホルモン』である。

『塩然ホルモン』は本来、豚の小腸を使っているのだが、今回は直腸を使うことにした。小腸は少しクセのある味がするのだが、直腸の方が塩との愛称がいいように思えた。『塩然ホルモン』は少し改良の余地がありそうだ。

友人の一人が博多の有名焼肉店に努めていたことがあるのだが、そのような一流の店ではタンの喉元の肉を皮を剥く際に、一緒に捨てると言うのだ。なんともったいない。「捨てるくらいなら山田ホルモンにくれよ!」と叫ぶ私を尻目に、コリタンをパクッと口に入れ、「これ、やっぱり旨いよ!」『塩然コリタン』は上々の人気である。

次に『唐甘焼』を4品いただいた。『唐甘上カルビ』『唐甘ハラミ』『唐甘大腸』にこれまた検討中の『唐甘中落ちカルビ』である。

今回の『唐甘上カルビ』はお客様に出すことのできない商品である。よく言えば『熟成』、悪く言えば『腐りかけ』の上カルビの塊の6面を多めに切り取り、本当に熟成された柔らかい部分だけを『唐甘焼』で味付けるのだ。

もちろんお客様にはお出しできないが、一番美味しい時期のお肉である。一口食べるごとに、「やっぱりこれ、旨いや!」と連呼するくらい、口の中で溶けるような味わいである。それが『唐甘焼』のタレと一緒になり、なんともいえない至福感に包まれるのだ。

検討中の『唐甘中落ちカルビ』は見てくれはあまりよくない。バラ肉の中でも、本当にアバラとアバラの間の肉で、脂が良くのり『唐甘焼』とよく合う。量が多くないのであまり作る事ができないが、商品開発が落ち着いた『唐甘焼』の中では最有力候補に持ち上がった。

その他にも現在、壺漬けのお肉やホルモンを検討中である。漬ける事によって味がよく染み込む。でも今回は染み込みすぎて、ちょっと辛くなった為、まだまだ研究の余地がありそうだ。

たらふくお肉やホルモンを食べた後はご飯に汁である。もちろん汁は豆腐が入った辛いチゲ。若女将は味に納得がいかないようで、何度も首をひねっては味を確かめる。最後にコチジャンを少し加え、「これ、これ、この味!!」と一人興奮していた。

友人の一人が、「このチジミ美味しいね!」と言うと、他の友人が、「このナムルは店に出しても通じるよ!」と褒めるので、若女将は大満足である。

その後はダラダラとお酒を飲みだすので、若女将は床に就き、男3人で飲み出した。私も友人を持て成す事が出来た喜びと、商品開発に新しい課題を見出しながら、あれでもない、これでもないと取り留めのない酒と話で夜が更けるのであった。





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最終更新日  2004年12月05日 18時47分08秒



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