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カテゴリ:日本史と世界史の謎を追う?
● 世界史 ウィリアム・H.マクニール/著 中央公論新社,2001.10 日本史の入った面白い世界史が読みたいと探していて発見した本がこれ。 ●ここは学生の受験に役立つかも! 特に世界史を簡単に、概観するには、154ページ、343ページ、の2箇所を見れば一目瞭然。早く出会いたかった本。 「世界で30年余にわたって読みつづけられているマクニールの「世界史」」というキャッチフレーズ。 目次は 第1部 ユーラシア大文明の誕生とその成立―紀元前五〇〇年まで(文明のひろがり;中東のコスモポリタニズム ほか) 第2部 諸文明間の平衡状態―紀元前五〇〇-後一五〇〇年(ギリシャ文明の開花;ヘレニズム文明の伸展 第3部 西欧の優勢(地理上の大発見とその世界的影響;ヨーロッパの自己変革 ) 第4部 地球規模でのコスモポリタニズムのはじまり(産業革命および民主革命による西欧文明の変貌;産業主義と民主主義に対するアジアの反応 ですが、第3部から読み始めることをお勧めします。 ●マクニールの世界史観は。 ある1つの文明と、その文明の周囲にある共同体の反応、文明と共同体の相互作用の中で、世界史の展開がある。 文明(きわめて密度の高い、強烈な魅力をもつ社会)から 発散される力によって、文明の近隣にある社会は、 なんらかの形で、自分たちの伝統的な社会と文化構造を変化させて、 新しい事態に適応しょうとする。 各時代の歴史は、 1.この時代の「文明」という、その時代を撹乱させる原動力の実体を 明らかにする。 2.その文明以外の地域社会が、文明が起こした変動の波に対して、 如何に反応したか。 以上、2点を考察すれば、その時代の大筋をつかむ。 人類の歴史を、大きな3つの時期にわける。 1.紀元前500年まで。 中東に文明が成立し、続いて外縁であるギリシャ、インド、中国の 3大文明ができ、文明バランスが取れた。 2.紀元前500年から起源1500年まで。 強力な文明の中心がない。ギリシャ、インド、中国の 文明が成長し、中東と肩をながべた。 さらに周辺に、いくつかの新文明が発生し、ユーラシア諸文明の 均衡が保たれた。ただ、7世紀に出現したイスラム文明が 波動を引き越した。 3.紀元1500年から現代まで。 西ヨーロッパ文明が、それまでの諸文明の均衡をやぶり、 強烈に世界に広がり、各地の伝と欧文化を変容させた。 旧世界以外に3つの文明圏をもつ新大陸アメリカ文明も 西欧文明の衝撃を受け壊滅。住民は西欧文明の支配下に。 この西欧の興隆と拡大は1500年どこから始まり、 西欧文明の自己変革が進み、1850年ころから、その勢いは決定的となり、 20世紀は、西欧文明が主導するグローバリエーションとなった。 1982年刊行の「力の追求」(翻訳書名ー戦争の世界史)は紀元1000年以降の世界における技術と武器が、社会にあたえた影響を詳細に分析。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.03.08 21:09:23
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