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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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消滅の光景

2020.09.14
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テーマ:小説(520)
カテゴリ:消滅の光景
SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n8420gh/9/

消滅の光景 第9回地球に向かう調査船エクスの中で、情報省のチヒロや超能力少女ラミーに守られて、カド博士は、地球での行方不明者の共通因子を探ろうとするが、祖先霊が邪魔をする。

消滅の光景 第9回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/





 カド博士は、頭の両側にメタリックの端子が突出している。

船のコンソールパネルから接続端子を引きづり出し、自らの頭の端子

に繋いでいた。

 宇宙船エクスは小型だが、優秀な電子頭脳を備えていた。自分の頭脳と

電子頭脳をフィードバックして新たな解決法を得ようとしでいた。



エクスの電子頭脳には地球で行方不明になった人々のデータがイン

プットされている。



 「タク、スイッチを入れてくれ」

カド博士は助手のタクに頼んだ。



 「博士、大丈夫ですか。こんな事をしても」

 「案ずることはない。私の頭脳は特別製なのだ。何らかの新しい因

子を発見することができるかむしれない。そうすればこの一連の出

来事の解決歩が発見できるかもしれん。我々はいま絶壁の上に立っ

ているのだ」



 「わかりました。博士がそこまでおっしゃるなら」



 タクはスイッチを押した。博士の体から光が発されているようだ

った。しかし博士の体には何の異常もおこっていない。



■ラミーは自分の個室の中で黙想にはいっていた。



また内なる声が聞こえてこないだろうか。

彼女は自分を縛る声を始めは嫌っていた

が、近頃は声が聞こえてこないと不安を感じるようになっていた。



声がないと闇の中で一人置き去りになったような気さえする。声は

 一条の光であり、進むべき道であった。



 声が地球へ行くように命じたとき、彼女の心の中では行きたくな

いという気持ちと、どうしても行かねばならないという相反する気持ちが

争っていた。



 両親が目の前でどうなったか、彼女は思い起そうとしてみた。が

だめである。彼女はその時、まだ一歳にもなっていなかった。彼女

は黙想し、ひたすら声を待っていた。



 セクター情報所のチヒ口は、今度はセクター連邦軍、地球派遣隊に

ついてのデータを集積していた。



丁度その時。カド博士が助手のタクに連れられ、操縦室へ

上ってきた。

 「博士、どうですか、地球での行方不明者の共通因子について何か発見は」

 「そう簡単にはみつけられんよ」 



 「そうですか」

 「私は地球までの航行中、この作業を続けることにする」

 「カド博士、あの星で、多数の人間が行方不明者になっているのに、

我々の連邦軍地球派遣軍が手を出せないでいるのはどういうわけで

しょう」



 カドは盲いた目をチヒロの方へ向けた。

 「恐らく、ある種の、そう星の影響力というものが存在するのだ。

その力が連邦軍の兵士遂に作用しているのだろう」



 再び博士は自らの鸚の端子を電子頭脳に結びつけ、分析作業に取

りかかる。

 タクはコンソールの側にいる。



 どこからともなく黒い霧が発生し、タクの足もとから電子頭脳の

方へ近づいていく。



 黙想していたラミーは、ある声を聞きハット我にかえった。急

いで博士の研究室ヘテレポートーした。



 助手のタクの表情が変っている。

彼はその力強い両手を振りまわし、コンソール=パネルを壊していた。

カド博士は部屋の隅に跳ね飛ばされて距まっている。



 彼女はタクを止めようとした。が彼女はタクの右手ではねとばさ

れ、機械の角で頭を撃った。気を失いかけたラミーの眼に、異変に

気づき、走り込んできたチヒロの顔が映った。



 調査船エクスの操縦操置は電子頭脳に依存していた。それゆえ船

は操船不能になっている。



 チヒロは襲ってくるタクの腕をすり抜け、すばやく右にあった

電源スイッチを切った。タクの体から黒い霧が浮び上ってきた。



 「そいつを撃て、撃つんだ」

 傷だらけのカド博士がチヒロに叫んだ。



 チヒロのレーザーガンはその黒い霧を焼き町り、おまけに後の電子頭

脳にさらにダメージを与えてしまった。



 「くそっ、電子頭脳が完全に死んでしまった」

 チヒロは、電子頭脳を知らべ、音をあげた。



「これでは、地球に行くどころか、宇宙の放浪者だ」

 チヒロは博士を助け起した。

「いったい、タクはどうしたんですか」

「あの霊に支配されたのじタ。君には黒い霧に見えたかもしれんな」

「あれが霊ですって」



「そうだ。それも、不思議なことに我々の祖先霊なんだ」

「我々の祖先霊が、なぜこんなことを」

「わからん、それにあれは滅びの戦士をも支配している祖先霊だ」

 船が横揺を始めた。

「いかん、早く、タクのエネルギーボタンを押せ」



 「大丈夫ですか」

 「大丈夫だ。ダクの小型電子頭脳を使うのだ。あいつの頭脳、はそれ

くらいの働きはできる。それに私の霊能力と彼女の超能力を使えば、

地球まで辿り着く事などわけはない」



 チヒロはラミーを抱き起した。彼女はまだ気を失なっている。



 「もうすぐ、気がつくだろう。チヒロ、喜べ私は一つのヒントを得

た。地球に存在する『塔』が一つの解答らしい」



 スイッチが入れられ、タクは動き始める。

 タクはあちこちを見渡し、驚いていた。

 「博士、これはどうしたことですか」

 「皆、お前がやったのだ」

 「私が」

 「それよりも、お前の頭脳をこのプーラグにつなげ」

 タクは不思議そうな顔をして、操縦室へ向かっていく。



 ■《地球の記憶》

 要塞の防禦壁がはげ落ち、また一人の戦士が奈落の底へ沈んでい

った。

 床が振動していた。もう彼らに勝算はないようであった。帝国戦

士ウォーガトは自らの体を立て直し、コンソール=パネルを見た。

防蒙哉構ぽばとんど作動していない状態だ。モニターはすべて死ん

でいた。版屋の光源は明滅していた。敵は姿を見せず、ただ強大で

あった。

「地球の罪か」地球帝国戦士ウォーガトは独り言ちた。



消滅の光景 第9回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.09.14 13:21:18
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2020.09.06
テーマ:小説(520)
カテゴリ:消滅の光景
SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第8回 カド博士、情報省のチヒロ、超能力者少女ラミーは、地球をめざす。



消滅の光景 第8回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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「そうです」チヒロは言う。



 カド博士は少し考えていたが、

「よし、彼女ラミーを連れていこう」



「こんな少女をですか」

「私の霊能力がそう告げているのだ」



「博士、急ぎましょう。先刻、2台のホーが逃げたのです。滅びの戦士たちは

ホーの記憶回路から、あなたが生きていたことを知るでしょう」



 情報省の医療センターでカド博士は集中治療を受けていた。



体力の回復次第、地球へ出発と決定された。カド博士の周辺は充分な警

備が施されている。



 助手であるアンドロイド=タクも常に博士の側にいた。

 病室から出て来たタクに一人の兵士が近づく。



 「タクさんですね、チヒロ中尉がお呼びです」

’「でも、私は博士の側から離れるわけにはいきません」

 「至急、おこし下さいとの事です。,.大切な要件とのことです」

 「そうですか、それなら」



 兵士は先に立ち、通路を歩き始めた。しばらく歩いた後、タクが

尋ねる。

「遠いですね。どこにおられるのですか、チヒロ中尉は?」



「もうすぐです。この角を曲ったすぐの部屋です」

 突然、背後から二人の兵士が近づき、タクの腕を取る。



「何をなさるのですか」

 タクは腕を振り迫どこうとした。がそれより旱ぐ、一人の兵士は

タクの肩にある回路をレーザーで焼き吸っていた。



 三人の兵士達はタクのボディを大きなストレッチャーに載せ、

いずこへと音もなく消えた。





 一時間たった後、タクは博士の病室の前にいる自分に気づいた。

今まで自分が何をしていたか憶えていなかった。



■ 情報省の調査船エクスは、セクターの引力圏を離脱し、地球に向

い進みつつあった。直径三百m、エクスは小型の球形船であるが、

優秀な調査能力を装備している。



 コックピットの中でチヒロは情報省からのデータを整理していた。

 彼は今、ラミーのデータを再度読んでいる。



 『ラミーーグリーン。15歳。超心理学者ギャリー=グリーンと歴史

学者エレノア=グリーンの間に生まれる。



両親は地球考古学調査隊に所属していたが、行方不明となる。

1人娘であ・った彼女はセクターに連れ戻され、

連邦優生児保護法によって、ロボットマザーの手により育てられる。



3歳位よリ超能力を有することがわかり、連

邦所属の超心理研究所に預けられる。現在はそこの所員である』



 「15歳で超心理学研究所の所員か」



 チヒロは独りごちた。彼女の両親は地球で行方不明になっている。

何か関係があるのだろうか。



 カド博士は、タクの助けを借り、地球で行方不明になったと考え

られる人々のリストを克明に調査し七いた。情報省のコンピュータ

ー解析では、共通因子を発見できなかった。が、彼は彼なりに分析

することにした。



消滅の光景 第8回

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最終更新日  2020.09.06 07:35:28
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2020.08.29
カテゴリ:消滅の光景
SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第7回超能力少女ラミーに助けられ、情報省のチヒロは、カド博士の家に。家は滅びの戦士に襲撃されて燃え上がっっていた。

消滅の光景 第7回

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乗り手をなくした滅びの戦士ホーが2台、空に浮んでいる。



 「あれに乗るのよ」超能力を持つ少女のラミーが言う。

「でも、あいつは、ー人一人の滅びの戦士に同語されでいるはずだ」

チヒロが答える。

 「いいのよ、早くして」



 チヒロはホーに乗った。ホーは何事もなくチヒロの意志に従い動

き始める。

 チヒロはラミーの能力に舌をまく。隣を移動中のラミーの顔を見

る。彼女は青い顔をしていた。

 「だいじょうぶか、ラミー」

 「心配しないで。今は一刻の猶予もならないわ」



 カド博士の邸宅は燃えあがっていた。すでに滅びの戦士達に攻撃

を受け炎上しているのだ。死体が建物の廻りに散乱している。



 「遅かったか」



チヒロはこの光景を目のあたりにし、愕然とした。

ラミーの声は元気だった。

 「大丈夫よ。博士は生きている。生命の炎が見える」



 冷汗をかき、ラミーは念視している。ゆっくりと片手をあげ、炎

につつまれている邸の真中を指さす。



 「生体反応があるわ」



 炎の中で、何かが揺れ動いている。そいつは徐々に、人の形をと

り始め、炎の中からゆっくりと娠を現わす。



 衣服がまだ燃えあがっている。大男だ。2メートルはあるだろう。そい

つは体じゅうを炎に包まれながら、話しかけた。



 「情報省のチヒロさんですね」



 彼ば頷ずく。水が上空から降り注がれる。

消防団が駆けつけたようだ。炎の男は消防車の方へ歩む。



消防士たちは驚く。

 「水を早くかけて下さい。私の中に人一人がはいっているのですブ

 消火された男はゆっくりどチヒ匹達の衝へ還ってきた。彼はアン

ドロイドだった。



 「チヒロさん、始めまして、自己紹介させていただきます。私は博

士の助手タクです。博士は私の体の中で保護されています」



 男の体は胸の真中から開き、別の男の体が転がり出た。



 「カド博士 大丈夫ですか」



 博士はわずかに頷いた。



 博士の無事な姿を見て、ラミーは倒れた。体力を使い果したのだ。



超能力の行使は体力を急激に消耗させる。ましてや彼女は少女なの

だ。                               

 ホー2台は、ラミーの力から解放され、上空へ急速にはね上がり、

消え去った。



 博士の眼は閉じられたままだ。

 「博士、眼は」

 「視神経をどうやらやられたようだ」

 「滅びの戦士たちめ」

 博士はかぶりを振る。



 「心配することはない。私の霊能力はいささかも衰えてはおらん」

 博士は見えない眼をラミーの方へ向けた。



 「彼女は何者だ」

 「見えるのですか。彼女は超能力者なのです。私も助けられたので

す」

 「恐るべき能力だ。すさまじいオーラの炎が感じられる」

 「彼女は地球行きの事を知っていたかね」



消滅の光景 第7回

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最終更新日  2020.08.29 19:59:19
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2020.08.22
カテゴリ:消滅の光景



SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第6回 カド博士の家に向かうチヒロとラミーは滅びの戦士達の攻撃を受ける。ラミーの超能力がチヒロを助ける。

消滅の光景 第6回

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滅びの戦士達は超合金のコンバットスーツで身を固めている。特権階級であ

るとないにかかわらずヽ人々を殺戮しているのだ。彼らは特にミレ

ミアムアム信徒を目の敵にしていた。



 カド博士の家はシティの郊外にある。市街地から飛び出したチヒ

ロのエアーカーに上空から黒い物体が襲ってきた。チヒロの反射神

経はあやうい所でそいつを避けた。



が車はチューブードライブーウェイの側壁に激突した。一瞬チヒロ

はコックピット内でしたたか体を打ち、気を失なった。



ラミーも身動きしない。



 上から3つの黒い物体が降下してきた。



彼らは手に電磁ヤリを持っている。彼らがまたがっているのは卵形

をした、ホーと呼ばれる生体メカの一種である。



ロボット体の中に一部分動物の神経不が埋め込まれている。



一種のサイボーグであり、機械獣よりも反応速度が早いのだ。

このホーは黒いコンバットスーツに身を固めた滅びの戦士達

の意志を読みとり、自在に動くのだった。



 「とどめをさせ」 戦士の一人が命令した。



戦士がホーに乗ったまま、チヒロの様子

をうかがいながら、近づいてきた。動かないチヒロの体を見付けた

戦士は、電磁ヤリを持ち上げ、ねらいをさだめる。



電磁ヤリは一撃で一万ボルトの電気を放電し、物体を炭化する。

 電磁ヤリが突き出された瞬間、チヒロの体は気を失なったまま、

空間移動した。



 『チヒロ、目をさまして』チヒロの意識の奥で声が響く。



激しい衝撃がチヒロの体を貫らぬき。チヒロは意識を取り戻した。目の前に

再び、電磁ヤリが迫ってくる。体をかわす。レイ=がyを出そうと

する。ない。エアーカーの中で落としたようだ。



ナヒロは今、自分 が空間で行動していることに疑問を感じてはい

なかった。

急に手の中にレイ=ガンが出現した。チヒロの方へ突っ込んでくる戦士の目

の前まで引き付け、手を狙い、レイ=ガンの引き金をしぼる。ホー

が襲い、チヒロははじき飛された。しかし体には傷はない。戦士は

両手をレイーガンでやられ、電磁ヤリを落としていた。ヤリはチヒ

ロの手の中に飛び込んできた。チヒロは電磁ヤリを構え、戦士に投

げつけた。



電磁ヤリは戦士の体を貫ぬき、放電する。轟音がした。戦士

の体は異色の超合金コンバットスーツごと、吹き飛んでいた。残

り二人の戦士が近づいてくる。



 電磁ヤリがまた、彼の手に戻ってきた。戦士は二手に分かれ、チ

ヒロを挾み撃ちにしようとする。両サイドから突き込んでくる。ヂ

ヒロの体は金縛りにあったように動かない。戦士のヤリが彼の皮膚

にふれようとした時、チヒロはテレポートしている、エアーカの

残骸の側に立っていた。上空では、勢いあまった戦士のヤリがお互

いを貫いている。大爆発がおこった。



チヒロには今まで自分の行動が夢のように思われた。



自分にはテ レポート能力もデレキネス能力もないのだ。

  エアーカーは燃え続けている。中にいた少女ラミーはどうしたの

だろう。目の前の空間にラミーは疲れた表情で現われた。



「ラミー、一体、君は」



「そう、私は超能力者。今の事件で私の能力はわかったでしょう。

カド博士の家へ向かわねば」



「エアーカーはこの通りだ。君のテレポート能力でもあそこまでは

距離がある」

 「心配しないで」



消滅の光景 第6回

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最終更新日  2020.08.22 16:50:22
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2020.07.22
テーマ:小説(520)
カテゴリ:消滅の光景


SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第5回■情報省をでたチヒロの前に少女ラミーが現れる。テロ集団「滅びの戦士達」が襲撃するので、早くカド博士を助けにいけという。

消滅の光景 第5回
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ジムの中央で座っている老人にラミーは心で話しかけた。



『導師、私は出掛けなければなりません。これでお別れです』



 齢数百を越す導師は静かに答えた。



『出掛けるか、ラミー。何がおころうと心の声に従うのだ。それ

がお前に与えられた運命だからの。お前の存在理由なのだ』



『わかりました。導師、もう二度どお目にかかるととはないと思い

ます』



『さらばだ。しかし気にやむことはない。休は滅びようとも心は

永遠に残るからの』



 ラミーは旅支度を整え、今までいた「研究所」の門を出て行った。







■情報員チヒロのエア・カーの前に何かが急に出現した。



少女だ。

ブレーキーを踏む。ヽ自殺者ならば、その少女を当局へ突き出さなければなら

ない。チヒロはエア・カーのドアを開け、話しかけた。



 「君は自殺しようとしたね」

 「いいえ、違います」その少女は答える。

 「でも、君は、僕の車の前に急に飛び出したじゃないか」



 「あなた、チヒロさんでしょ」

 「どうして僕の名前を」

 「私を一緒に逓れていって下さい」



 「一緒に連れて?」

「そう、地球へです」



 チヒロは、なぜ、この少女が彼が地球へ行くことを知っているのだと

疑問を感じた。





「君は何という名前だね」

「ラミーよ」 



「ラミー君なぜ、君は地球へ行きたいのだ」



「どうしても行かなければならないの」

「よし・エア・カーに乗れ」



「私を、情報省へ連れて行き、調べるつも0ね」

 チヒロは内心驚いた。この子は私の心を読みとるととができる。



「そう、私は人の心が読める。だからチヒロさん、あなたが地球に

向けて旅立つ事もわかったのよ」

 こいつはほおってはおげん。

 「そうよ。はおってはおけないはずよ」

 「とにかく、情報省へ行こう」



 「だ‘めよj情報省へ帰る前に、霊科学者カド博士を助けなければならないわ」

 「カド博士を助けろって」 

 「カド博士が滅びの戦士達に襲われているわ」

 「何だって」



 「私には見える。早く、早く、カド博士の家へ行って。考えている

ひまはないわ。急険なのよ

 チヒロはエア・カーの通信機で博士邸を呼びだそうとしただ。



 『通信回線不通、通信不可能』の文字がディスプレイに出た。

チヒロはラミ-の言葉を信じた。



エア・カーをぶっ飛ばす。



 「気をつけて、滅びの戦士達があなたを待ち構えているわ」

 滅びの戦士。最近各地でおこりつつある、殺人、暴力行為、破壊

活動を行なう、自然発生的テロ集団である。



消滅の光景 第5回
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最終更新日  2020.07.22 18:35:15
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カテゴリ:消滅の光景


SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第4回セクター星情報省の長官は情報員チヒロに、司政官グルドの行方を追えと命令する。研究所の中で瞑想するラミーは天啓をうけ旅立ちを決意する。

消滅の光景 第4回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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「わからん」セクター星連邦情報省のおやじこと、長官キドの長官は続ける

「司政官グルドは優秀な男だ」

優秀である事を必聾とし、それはセクター星の特権階級と結びついていた。



 自殺は許されていなかった。自殺した者はサイボーグ手術を施さ

司政官とはセクター星連邦内の故障や治安を観察し、報告するお忍びの連邦

職員である。それも超A級の上級職だ。



「地球にはセクター星連邦軍の前硝基地があるが、兵員が少数だ。役に立つま

い。彼らは不思議な現象を報告してきている」



「何ですか」チヒロはたずねる。

「消滅現象だ。詳しい事はこのレポートを読め」

チヒロに渡す。

「わかりました」

「それにもう一つ、この男と一緒に地球へ行ってくれ」

 キド長官は立体写真をチヒロに渡す。  

「この男はカド博士、一流の霊科学者だ」





 チヒロはカド博士を迎えに行くため、エア・カーに再び乗った。

情報省の最上層のパーキングからはセクター星の地平線が見えている。



 セクター星は宇宙をおさめる大帝国の中心地であった。しかし

拡張の時代も終り、爛熟期にはいったセクター連邦は滅びを予感さ

せている。



セクター人は科学の発達により、不死の体となっていな。病気ほ

存在しない。



逆に死ぬために大量の金を必要と七た。特権階級は死ぬことを許され

ていた。



そしてまた特権階級は他の人々に死を施すことを許されていた。



 宇宙パイロットである事も死を求める手段であった。まだ宇宙

総ては彼らの手に帰してはいない。災害がパイロットの前,鰐立ちふ

さがり、死の房を開いていた。



 そんなセクター人にミレミアム信仰が蔓延したのも無理からぬ事だ

った。



 ミレミアム信仰はセクター連邦が、宇宙の創造者の怒りにふれ、今

年の内に消滅するという思想なのだ。



人々は仕事を止め、ミレミアム信仰の聖地を求めて、宇宙を放浪し始めた。



 聖地はどこの星にあるのか知らされていなかったのだが、その聖

地を中心に滅ぴは始まるといわれていた。



 死は、消滅は、何よりもセクター人にとって至福の時なのであっ

た。





■研究所の実験室の中でラミーは長い黙想の中にあった。



何時間統いているのだろう。うす暗い部屋の中に何十人もの人間が、黙想に耽っていた。



 部屋は小さなジムほどもある。ソフトな間接照明が彼らを

照らし出している。部屋は白い壁でかこまれ何の備品もなかった。



 ラミーの心の中は無であった。



遠くから声が聞こえてくる。また始まったわとラミーは思う

。近頃黙想中に声が響いてくるのだ。



原因は不明だ。それは有無をいわせぬ力強さでラミーの心に語りか

けてくるのだ。ラミーの超能力を持ってしても打ち払うことができ

なかった。





『ラミー、出発の時が近づいている。男に会う、のだ。その男はお前

の助けを必要としている』 



 ラミーは黙想を止め、目を開き、出掛ける決心をした。



消滅の光景 第4回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.07.22 18:35:51
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カテゴリ:消滅の光景


SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第3回セクター司政官グルドが、光る塔の中で消えた。本星セクターの連邦情報省のおやじこと、長官キドはカジノで豪遊していたエージェントの千尋を呼び出す。

消滅の光景第3回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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司政官グルドにセクター宇宙連邦軍、ビット大佐が告げた。

この塔の危険を理解してもらためだ。



「塔の側にガーディアンと呼ばれる旧式のロボットがいます。別に

人略書を吽えるものではありまぜん。ただおの塔のまわりをゆブっく

りと歩き廻っているだけです。ただ気をつけて下さい。



あの塔はこの星の聖地心しいのです。



塔に近づこうとした鼎はあのロごボ″トが容赦なく殺すのです。消滅現象はおこりません。

 あのロボットは塔を守るガーディアン(守護者)なのです」





 ロボットが目の前にいた。大きな手がグルドの体を掴み上げ、塔

から遠ざけようとした。が一瞬、ロボットはビクッと動きを止め、

グルドを観察しているようだった。



巨大な無機質な眼がグルドを見つめていた。



やがてガーディアンはゆっくりと、大切なものを扱う

ようにグルドを地上へ降した。



再びグルドは見えない力に操られ塔へと近づく。

ガーディアンはグルドを見守っているようだ。



 ジルパーの塔の外皮が眼前だ。突然、塔の基部に穴が出現した。



たじろぐ事なくグルドは中へはいる。ふと母の胎内へ戻ったような

安堵感がグルドを襲う。



通路があった。さらに中へとグルドは歩む。



小さな部屋があった。ベッドが真中に据えられている。グルドは横

たわる。



マジックハンドがのびてきて、グルドをしっかり掴まえた。



天井から球体が降りてきた。瞬間、閃光が走り、グルドの体は光線

につらぬかれていた。その時、グルドは至上の喜びを得ていた。彼

の体はプラズマ状になっていた。





 ■チヒロが「オヤジ″」から呼びだされた時、彼はカジノの中にいた。



カジノでツキにツイている時だった。チヒロはしぶしぶ、金貨をチエ″カ

ーこ預ナた。



「また後で来るからな、預かっておいてくれ、マド」

 顔見知りのチエ″カーに頼む。



 「今日もまた中座ですか。ツキが逃げますよ」

 「ツキが逃げるって、ツキの方が俺の後からついてくるさ」



 チヒロは給料のほとんどをカジノに注ぎ込んでいる。フリータイ

ムはこのカジノにいる事が多い。



 カジノから連邦情報省までエア・カーでぶっ飛ばした。途中のロ

ードでいつも通りの車との戦闘行為にふける。



 「今日はこのくらいにするか」



 チヒロは独りごちた。情報省の建物が見え始めた。

 IDカードを示し、情報省内へとはいって行く。チヒロはセクタ

ー宇宙連邦情報省のエージエントであった。



  ″オヤジ″、つまり情報省長官キドはいい顔はしていない」

 「チヒロ、遅かったな」



 「いや、いつもより、コンマ4秒は早いはずですよ。いつも通り3

台の車とコンバットしてきましたからね」



 「今日は3台か、お前にしては少ないな」



 ミカロ星戦役でなくした片眼の方、ロボット=アイが冷たくチヒ

ロの表情をながめている。



 「本題にはいろう。司政官が一人行途不明になった。

 「どこの星でですか」



 「地球でだ」

 「あの辺境の地球ですか」



 「おまけにミレミアム信徒が多数、その星地球に集まっているらしい」

 「何か関連が」



消滅の光景 第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.07.22 18:36:11
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2020.07.17
カテゴリ:消滅の光景


消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景 第3回セクター司政官グルドが、光る塔の中で消えた。本星セクターの連邦情報省のおやじこと、長官キドはカジノで豪遊していたエージェントの千尋を呼び出す。

消滅の光景第3回消滅の光景 第2回

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司政官グルドにセクター宇宙連邦軍、ビット大佐が告げた。

この党の危険を理解してもらためだ。



「塔の側にガーディアンと呼ばれる旧式のロボットがいます。別に

人略書を吽えるものではありまぜん。ただおの塔のまわりをゆブっく

りと歩き廻っているだけです。ただ気をつけて下さい。



あの塔はこの星の聖地心しいのです。



塔に近づこうとした鼎はあのロごボ″トが容赦なく殺すのです。消滅現象はおこりません。

 あのロボットは塔を守るガーディアン(守護者)なのです」





 ロボットが目の前にいた。大きな手がグルドの体を掴み上げ、塔

から遠ざけようとした。が一瞬、ロボットはビクッと動きを止め、

グルドを観察しているようだった。



巨大な無機質な眼がグルドを見つめていた。



やがてガーディアンはゆっくりと、大切なものを扱う

ようにグルドを地上へ降した。



再びグルドは見えない力に操られ塔へと近づく。

ガーディアンはグルドを見守っているようだ。



 ジルパーの塔の外皮が眼前だ。突然、塔の基部に穴が出現した。



たじろぐ事なくグルドは中へはいる。ふと母の胎内へ戻ったような

安堵感がグルドを襲う。



通路があった。さらに中へとグルドは歩む。



小さな部屋があった。ベッドが真中に据えられている。グルドは横

たわる。



マジックハンドがのびてきて、グルドをしっかり掴まえた。



天井から球体が降りてきた。瞬間、閃光が走り、グルドの体は光線

につらぬかれていた。その時、グルドは至上の喜びを得ていた。彼

の体はプラズマ状になっていた。





 ■チヒロが「オヤジ″」から呼びだされた時、彼はカジノの中にいた。



カジノでツキにツイている時だった。チヒロはしぶしぶ、金貨をチエ″カ

ーこ預ナた。



「また後で来るからな、預かっておいてくれ、マド」

 顔見知りのチエ″カーに頼む。



 「今日もまた中座ですか。ツキが逃げますよ」

 「ツキが逃げるって、ツキの方が俺の後からついてくるさ」



 チヒロは給料のほとんどをカジノに注ぎ込んでいる。フリータイ

ムはこのカジノにいる事が多い。



 カジノから連邦情報省までエア・カーでぶっ飛ばした。途中のロ

ードでいつも通りの車との戦闘行為にふける。



 「今日はこのくらいにするか」



 チヒロは独りごちた。情報省の建物が見え始めた。

 IDカードを示し、情報省内へとはいって行く。チヒロはセクタ

ー宇宙連邦情報省のエージエントであった。



  ″オヤジ″、つまり情報省長官キドはいい顔はしていない」

 「チヒロ、遅かったな」



 「いや、いつもより、コンマ4秒は早いはずですよ。いつも通り3

台の車とコンバットしてきましたからね」



 「今日は3台か、お前にしては少ないな」



 ミカロ星戦役でなくした片眼の方、ロボット=アイが冷たくチヒ

ロの表情をながめている。



 「本題にはいろう。司政官が一人行途不明になった。

 「どこの星でですか」



 「地球でだ」

 「あの辺境の地球ですか」



 「おまけにミレミアム信徒が多数、モの星に集まっているらしい」

 「何か関連が」



消滅の光景 第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.07.17 23:14:44
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2020.07.14
テーマ:小説(520)
カテゴリ:消滅の光景


消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景第2回、セクター星群内で浸透するミレニアム信徒を調べるために司政官ビット大佐は、町中の宿屋にとまるが、塔に引き寄せられていた。

消滅の光景 第2回

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「この星で何かがおこっているな」グルドは独りごちた。



セクター星軍駐屯本部宿舎に入ったグルドは、ピット大佐の個室を、夕刻、ノ

ックしていた。



「すまんが、ピット大佐、町中の宿屋を紹介してくれんか」

「ええっ、視政官、それは危険です」



「人々の中に入らなければ、視政官としての任務はできん。ミレニアム信徒

ム信徒の様子を調べたいのだ」



「そうですか。そうおっしやるなら:」



 ビットは少し考えていた。

「タルジマロ通りのキムの宿屋がいいでしょう。まだ安全でしょう」



「わかった。地図を書いてくれるかね」



「案内します、視政官」 



「ばかを言いたまえ。君が付いて来れば、ぶち譲してはないか」



 ミ肌アム信徒で混雑するタルジマロ通りを歩いてようやく、グル

ドはキムの宿屋を見つけた。



セクター星では博物館入りの建物だ。



 これ以上、肉のつきようがない肉のかたまりの様な男がカウンタ

ーの中にいる。



この男がキムの様だ。歩く度に重さで床がギジギシと鳴った。

不機嫌そうな顔だ。



 「お客さん、残念ながら、ミレニアム信徒ならおことわりだよ」



 グルドはキムの鼻先に銀河クレジットを押しつけていた。

 「私はミレニアム信徒ではない。泊めてもらおう」



 キムの表情がくずれだ。



「お客さんがミ‥リアム教徒だなんて誰がいいました。どうぞどうぞ。

この星で最高のお部屋にお泊めいたしましょう」



キムの口はとどまる所を知らない。



「宇宙商人の方ですか。こんな星に貿易にこられたのですか。残念

ながら、この星には何にもないですよ。そりタ、大昔には、この星

は繁栄していたらしいですが。私達はセクターから入植した人間の

子孫なんですが。祖先がもぅとましな星に入植してくれていたらと

いつも思ってますよ。



 そりタそうと、「塔」を御覧になりなさったかな.あの塔くらいしか、

この星には見所がないですよ。ほら、この寫からも見えますよ」



 塔は、夜空の中に銀色に輝いていた。針のように天空に向けそ

そり立っている。突起物はなく、均質の物質で構築されていた。



 「まあ、明日の朝早く、行かれることですね。じゃ、お休みなさい

ませ」



部屋に入った瞬間。心が浮き立つ。

 グルドの心は見えない力に引き寄せられていた。抗いようもなかった。

意識の一部では自分の意識があの塔に向かって突き進んでいるのがわかっ

ていた。



何のために私の意識は塔に向かっているのだ。グルドは自問した。



答は返ってこない。体が自分の物ではないような感じだ。



 町並が消え、塔が目の前に接近してくる。



 ただ塔のみが存在し、向こうの方に地平線が見える。あとはただ

赤茶けた荒地だけだ。



 塔は宇宙から飛来し、この大地に突きささっているようにも延え

る。                               

 旧式のロボット、ガーディアンがゆっくりと近づいてくるのがグルドの視野にはい





連邦軍のビット大佐の言った言葉が耳に残っている。



消滅の光景 第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.07.14 06:43:19
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2020.07.10
テーマ:小説(520)
カテゴリ:消滅の光景


消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
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消滅の光景第1回■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らミレミアム信徒の流入だ った。死が至福の時をあたえるというのだ。


消滅の光景 第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ

った。

まったく奴らはひきも切らさず、この星へやってくるのだ。

一体、何のためにこんな辺境の星へやってくるのだ。



 奴らの信仰が、彼らを狂わせているに違いない。狂気が奴らをこ

の星へ引き寄せているのだ。



 ミレミアムミリアム信仰。



世界が、この宇宙がもうすぐ滅ぶという信仰が、

総てが消え去る時に、聖地にいたいという願望。それがこの星の人

口を急激に増加させていた。



もう星の収容能力をオーバーしている。

正規ルート以外に密航してくる奴らを連邦軍は追い払らわなくては

ならない。



 モれがビット大佐遠の役目であった。周辺航路を周遊し、見張り

つづけなければならない。



 最近、富に密航船が増え続けている。



 しかたなく、ビット大佐たちは船を破壊しなければならないこともある。



 しかし、彼らを殺すこと。それはミレミアム信徒の奴らに至撮を与

える事になるのだ。



 殺しても、奴らはやってくるのだ。連邦軍本部、セクター星に応援を何度も頼んだのだが、

援軍が送られてくる様子はなかった。



 考えにふけっているビット大佐をレーダ手ハーラン伍長の声が現実に

戻した。



「飛行物体を発見しました。右17度の方向です。大きさはクルーザ

ー級。連邦軍の船ではないようです」



「また、来たのか。警告だ」



 グルドがなぜ、その星に降りようという気になったのか自分でも

ぼっきりわからなかった。



すぼらしい星だった。はるか昔は繁栄

を誇ったのだろうか。グルドの船は降下を続けていた。モニターに

は大都市の姿は映ってこない。地面の上でキラリと光るものがある。



 急に通信機が声をあげた。



「こちらは、連邦軍だ。何者か」

「グルド=グアン、アルド星の宇宙商人です」

「宇宙商人だと.この星は輸出物資もなければ、商品を買うだけの

金持ちも存在しない」



 「ほんの気ばらしのつもりで着陸を」



「気ばらしだと、お前、ミレミアム信徒ではないのか」

 「いえ、そんな者ではありません」



 「そうか。この星はすでに収容能力を超えていが。残念だが、退去

してほしい。警告を受けいれない場合は、残念だが、君の船を攻撃

する」



 グルドはミレミアム信徒という言葉が気になっていた。

「どうしても着陸したいのだ」



 グルドは語勢強く言い、ある暗号コードを連邦軍の船に対して送

り出していた。 



 連邦軍の船はそれを受け取り、混乱したようだった。しばらくの

沈黙の後、やがて、ビット大佐の声がグルドに届いた。



 「失礼いたしました。空港は一つだけです。誘導波を送りますから、

それに従って下さい」暗号コードの効果だ。



 空港は色々な星から辿り着いたと見える種々の形状を持つ老朽船

で一杯だった。



 町並の方だろうか、星にはふさわしくない銀色に輝く巨大な塔が

望見できた。



 「一体、この船の群は」



 「ミレミアム信徒の船なのです。この星で消滅の時を迎えようとやっ

てきた奴らの船です」 



「詳しい事は連邦軍駐屯地で聞こう」



「失礼ですが、IDカードを示していただけますか」



 グルドはIDカードをビッド大佐の前にさし示した。



 「わかりました。視政官、どうぞこのエア・カーにお乘り下さい」



グルド、セクター宇宙連邦軍視政官はうなづいた。



 空港から町へ出た。.大きな建物はない。た,だ無気味μ動めく人の

群があった。道路に人があふれ、建物に群れている。ただ祈りをくりかえしている。



小さな子供が道路の真中で祈っている。

クラクジョンを鳴らしても動こうとしない。ブレーキをかける。し

かしそれより先に、



子供は逆にエア・カーにぶつかってきた。ヽにぶい音がした。



 グルドはうなる。

「自殺か、あんな子供が」



 「それより、あの子供がどうなったか、窓から見て下さい」



 道路には子供の死体がない。光り輝く灰が残っている。

 今の光景を見ていた人々は、歓声をあげてエア・カーの方へ押し

寄せてくる。



 祈りを唱えながら、灰をすくいあげようとする。エア・カーの廻

りに人垣ができていた。



「どういうことなのだ」



「消滅現象です。ここではよくおこる出来事なのです」



 群集はあとから後から押し寄せてくる。人々は宗教恍惚状態で

ある。



「エア・カーの出力をあげ、説出しろ

グルドは叫んが。エアで灰は飛び散る。人々は少しでも灰を拾おうと狂乱した。



「いつこうなのか」



 グルドは今、見た光景を信じられないという面持ちがった。



 ビット大佐は静かな声で言った。



「そうです。毎日、おこっているのです。原因はまっtくわかりま

せん」



消滅の光景 第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.07.10 10:53:19
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