2022/02/12(土)00:10
ハード・ロック野郎(世界の女は御用心)
『ハード・ロック野郎(世界の女は御用心)』 グランド・ファンク・レイルロード
「All the Girls in the World Beware!!!」 Grand Funk Railroad(74)
唯一無比。偉大なる史上最強のヘヴィー・バンド G.F.R。その圧倒的で重厚なサウンドがスリリングに突っ走る!!
A面
1. レスポンシビリティ - Responsibilty
2. ランニン - Runnin
3. ライフ - Life
4. ルック・アット・グラニィ・ラン・ラン - Look at Granny Run Run
5. メモリーズ - Memories
B面
1. 世界の女は御用心 - All the Girls in the World Beware
2. ワイルド - Wild
3. グッド・アンド・エヴィル - Good & Evil
4. バッド・タイム - Bad Time
5. オー・ワンダフル - Some Kind of Wonderful 私が子供時代を過ごした70~80年代には、「野郎」の付く邦題の海外ドラマが結構あった。
「白バイ野郎ジョン&パンチ (CHiPs)」に「トラック野郎!B・J (B.J. and the Bear)」、更に「特攻野郎Aチーム (The A-Team)」、でもって「冒険野郎マクガイバー (MacGyver)」等々。日本でも菅原文太さん主演の「トラック野郎」シリーズなんていう映画もあったりして。当時は野郎が巷に溢れていた。
そんな野郎全盛時代(?)である74年に、グランド・ファンク・レイルロード(Grand Funk Railroad。以下GFR)がリリースした9thアルバム「ハード・ロック野郎(世界の女は御用心)(All the Girls in the World Beware!!!)」を今回は取り上げてみたい。
一体どこから「ハード・ロック野郎」なんて邦題を思い付いたんだか…って、どう見てもジャケットからだわな。
このジャケット、ボディ・ビルダー達のムキムキ写真に顔だけメンバーの写真を貼り付けたものだが、4人のうちの一人は70年~75年まで「ミスター・オリンピア」(ボディビルの大会)で6年連続優勝を飾り、後に俳優、米国カリフォルニア州知事となったアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)だ!
アルバムタイトルの邦題&ジャケットは実によいのだが、楽曲の方は邦題が1曲だけというのがちょいと残念なところ。しかし邦題まみれでないのが逆によかったのか、このアルバムの邦題は現在も生き残っていて嬉しいかぎり。ちなみにこのアルバムをリリースした頃はレイルロードをとっぱらってグランド・ファンクと名乗っていた。まぁどっちでもいいような気もするけど…。
当時のGFRのメンバーはというと、69年リリースのデビューアルバム「グランド・ファンク・レイルロード登場(On Time)」で “アメリカン・ハード・ロック史上最強のロック・トリオ!” と絶賛された、ヴォーカル&ギターのマーク・ファーナー(Mark Farner)、ヴォーカル&ドラムスのドン・ブリューワー(Don Brewer)、ベースのメル・サッチャー(Mel Schacher)の3人に、72年から参加したキーボードのクレイグ・フロスト(Craig Frost)を加えた4人組。
バンドは76年に解散するも81年に復活、しかし今ひとつパッとせず83年に再び解散。だが90年代後半あたりの再結成ブームに乗って96年にまたしても復活したものの、98年にマークがバンドを離れたため休止。そしてヴォーカルに元38スペシャル(38 Special)のマックス・カール(Max Carl)、ギターに元キッス(Kiss)のブルース・キューリック(Bruce Kulick)を迎えて00年に活動を再開し、今に至っている。
このアルバムからシングルカットされた “オー・ワンダフル(Some Kind of Wonderful)” はソウル・ブラザーズ・シックス(Soul Brothers Six)のカヴァーで、ビルボードチャート3位に輝いた。続く “バッド・タイム(Bad Time)” も4位を記録。アルバム自体も10位と好成績につけたが、GFRの栄光はここまでで、以降は坂道をコロコロと下ってしまうのだ。
まるで線香花火の燃え尽きる前の最後の輝きのような…いや、そんな情趣的な音楽ではないけれども、何というか栄枯盛衰の儚さを勝手に感じてしまうアルバムなのである。
そんなGFRに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪
オー・ワンダフル
バッド・タイム
世界の女は御用心