カテゴリ:日常・思いつくままに・・・
旭山動物園の副園長で獣医でもある坂東元さんの講演会に参加してきました。
動物に対する私たちの目線と坂東さんの目線との違い、そして「命」に対する考え方に大きな感銘を受けました。 とても自然とは言いがたい私たち人類の生き方から見る「命」を大切にするという意味合いは自然(野生)で繰り返す「命」を巡る営みとはいつしか違うものになってきているのかも知れません。 ただひとつの「食べる」という行為にしても、野生はとても厳しく、肉食獣は草食獣の命を食べることで自分の命をつないでいる。 そして草食獣は草木の命を食べ、草木はそうした獣の死から与えられる栄養で生きていく。 その、食物の連鎖からただひとつ外れているのが、私たち人類の今の生き方なのだと思います。 食事の時の「いただきます」は作ってくれた人への感謝の意味もあるでしょうが、食物として提供されたものの「命をいただいている」ということへの感謝の言葉でもあるのです。と・・・このことは坂東さんもおっしゃっていましたが、忘れてはいけないことなのです。 可愛いからと餌付けしてしまった野生動物は自分でえさをとるということをしなくなる。 一度、楽に餌が手に入る方法を覚えてしまったら、もう、苦労して山で食事をしようとは思わなくなるそうです。 たぬき、キタキツネ、カラス、いのしし、しか、など山が減り、住める場所がなくなり、人間のテリトリーに入ってみれば、畑という食物豊富な場所はあるし、生ゴミとして捨てられている美味しい食事もあるし、見た目が可愛ければ餌をくれる人までいる。 そうして、どんどん街に入り、人家に入り、田畑を荒らし、今度は「害獣」と呼ばれ駆除の対象になっていく。 すべて、人間の考えの甘さと自然と共存しようとしない身勝手さが招いた「人害」に他ならないのに・・・・ 自然のことを考えるなら、野生の動物たちに野性の中で生き生きと暮らして欲しいと思うなら私たちにも出来る小さなことはいくらでもあります。 「ほんの10分早く電気を切って寝る」それだけのことをみんながしたらどれほどのエコになるのでしょう。 自然(野生)を守りたいと思いをもって、一人一人が行動すればそれは大きな力になります。 「どうしたら野生の動物が野生らしくいられるか」旭山動物園の取り組みもそんな思いが発端だと聞きました。 昨日も紹介しましたが、坂東さんの著書です。 私ではお伝えしきれない、坂東さんの動物に対する思い、命というものに対する思い、旭山動物園の取り組みへの思いが書かれています。ぜひ、お勧めしたい一冊です。 動物と向きあって生きる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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