よろめく私
ここは、あるパーティー会場。きらめくシャンデリア。音楽が鳴り響き、ワインやカクテルを手にした男女が談笑している。そんな中、ヤンスカの視界が揺れる。ああ、目の前の男性が傾いで見えるのはなぜ?初めて会った人なのに、私ったら、悩殺されてクラクラざますか?お酒の一滴ものんでいやしないのに、なんで軽い目まいのような感触をおぼえるのかしらん。だめだめ、仕事しなくちゃ。そう。私は今ある宴会場にて、司会者の勉強をしている最中。今日は先輩司会者の見学とお手伝い。ヤンスカはその場から一歩踏み出したとたん。よろっ、よろよろ。「大丈夫ですか」先ほどの殿方が声をかけてくださったわ。やはり、恋のめまい?よろめき?いけないわ、ヤンスカ。どう見てもこの男子は好みじゃないはず。「失礼いたしました、お客様。私は大丈夫です。ありがとうございます」足早に立ち去ったつもりが、ずるっと滑ってしりもち。笑顔でフォローにやってきた先輩が、クチパクで(あなた!かかと!かかと!)ん?と思って靴の裏を見たら、右足のヒールの底がはずれてなくなっておったわい。そら、よろめくっちゅうねん。そう!そうやねん!今までの声の仕事と、全身をフルに使う司会の仕事は全く別世界。とにかく歩く、動く。2月から勉強を始めて、この職場用に履いていた黒のヒールがぶっ壊れてしまうほどに。まあ、家から往復履いていたから仕方ないけど。いったい、はずれたヒールの底はいずこに?仕事が終わったのは、22時過ぎで、靴を買える場所もなく無理やりその靴で帰宅したもんだから、ただいま、腰の激痛と闘ってます。ちっとは痩せてくれたらいいのに、よく動くからご飯の美味しいこと!