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カテゴリ:書店員のつぶやき
このブログでかくべきかどうか迷ったんですが、
やっぱり、いい本だったんで紹介させてください! 『キャプテンはつらいぜ』って読んだことありますか? 昭和40年代生まれ以降の人は、ご存知かもしれません。 現在30歳代の人には少年少女時代がリアルに描かれているんで なつかしいな、と感じるはず。 最近、また復刊されたので、改めて読み返したのですが、やっぱりいい話ですね。 今の子どもたちには通じるテーマなのかな、 と心配だったのですが、 僕の店でも順調に売れているし、 図書館の検索サイトを見てみても、 結構、貸し出しに出ていますね。 小学校4年生くらいから十分楽しめる内容なんで、 このブログではオススメ本ではなく、 「ほのぼの日記」というカテゴリで紹介させてください。 時代は昭和50年代。 インベーダーゲームなどが登場するんで、そのくらいの頃でしょう。 不良とかツッパリも登場します。 一言でいうと野球を通しての少年少女たちの成長物語です。 オンボロ少年野球チーム「ブラックキャット」が困難に立ち向かいながら勝ち上がっていくというお話。 知らない方のために登場人物を簡単に紹介します。 長谷川勇(はせがわゆう):主人公。小学校5年生。運動神経抜群。ブラックキャットのキャプテンに選出される。自宅は中華料理屋「たこ松」。学習塾「麦塾」に通う。 秀治(ひでじ):不良と交流し、ぐれているが、勇の熱心な誘いでブラックキャットに入団。剛速球投手として活躍。 ゴロさん:おんぼろ学習塾「麦塾」の塾長。のっぽでやせ。25歳。教師を目指し、浪人中。ブラックキャットのコーチ兼精神的支柱でもある。不良仲間から秀治を奪還。 ケン:秀治の不良仲間。応援団長として活躍。 ゴロさんっておんぼろ学習塾の塾長がいい味だしてるんですよね。 夏休みの宿題をやらない秀治に、ゴロさんがいった言葉が、 どうして人間が学び続けるのかということを わかりやすく諭しているシーンがあるんですけど、考えさせられますよ。 以下引用。 「夏休みの宿題の話題が出た。 『宿題なんてどうでもいい』 という秀治にゴロさんはおっかない顔をしていった。 『勉強ってのは、大切なんだ。勉強ってのは人間の智恵だからね。 勉強するってのは、人間の智恵を自分のものにして、人間らしい生活を求めていくことなんだぜ』 『野球だって、人間の智恵が生み出したものなんだぞ。 ばかはばかなりに生き延びていく、なんて、そんな、人間を馬鹿にした考え方から、 どうしてスポーツが生まれてくるんだ。 いいか、秀治、俺たち、みんな、人間としての可能性の塊なんだぞ。 おまえがエースになったのも、ケンがコーチになったのも、 そのでっかい可能性のほんの一部なんだ。それがすべてじゃない。 勉強を馬鹿にしたり、あきらめたりするのは、 自分の可能性を、自分でつぶしてしまうことなんだぞ。 自分で自分をつぶすなんて、そんなひどい話はないだろう? 俺たちの将来、ほんとの人間の生活は、 もっともっとひろびろとして、でっけえものなんだ』 引用おわり いかがですか? 勉強するってことを 根源から考えさせる文章だと思いませんか。 児童書って、 ディープな世界なんですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 4, 2006 12:00:26 AM
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