2009/01/09(金)22:36
呪詛を受けて祈祷師が重病
与乃登へご相談をされた方の中にはこんな方がおられました。
上品な感じの奥さんが相談に来られました。
与乃登「どうされました?」
奥さん「実は、妹が原因不明の重病なんです。」
与乃登「それはお困りでしょう。」
奥さん「何が原因か視て頂きたいのです。」
与乃登「わかりました。視てみましょう。」
早速、与乃登は神前に座り霊視を始めた。
寝ている女性の頭元に大きな白蛇が巻き付いていた。
与乃登「あっ!これは!」
よく見ると憑きものの蛇ではない。
眷属だな。
すると主祭神は白蛇の系統か?
ゆっくりと白蛇を見つめた。
白蛇はこちらを見据えてこう言った。
白 蛇「われにかまうな。」
与乃登「そなたはなにゆえ、この女性に憑いている。」
白 蛇「我らが役目。」
どうも、この蛇が原因で、病気になったのではなさそうだ。
眷属がこの女性を守っているのか。
与乃登「この女性は原因不明の病気と聞いている。何か知っているか?」
白 蛇「妙心様をお守りしておる。そなたも殺しに来た祈祷師か?」
与乃登「殺し?これは物騒な。この方の姉の頼みゆえ、病気の原因を探っている。命を狙われているのか?」
白 蛇「幾人も来ておるわ。おぬしもこざかしい事をぬかして、命を狙うておろうが。」
与乃登「笑止!そなたは格の高そうな眷属のくせをして私が理解できぬか?祓いをかけるぞ。」
白 蛇「祓い?かけてみるが良かろう。返り討ちにしてくれるわ!」
やれやれ、面倒な事よ。
どうしてくれよう。
白蛇は今にも飛びかかりそうな勢いで、鎌首をもたげ、牙を見せた。
すると、そこへ、弁天様が現れた。
弁天様「白牙、下がりなさい。」
与乃登「これは、弁天様。」
弁天様「これ、祈祷師よ。少し頼みがある。」
与乃登「なんでございましょう。」
弁天様「この者は、私の行者です。呪詛に負けて苦しんでおる。助けてはくれまいか。」
与乃登「はぁ、でも。」
弁天様「私も助ける。浄めてはくれまいか。」
えーっ。なんぼ弁天様の頼みでも、呪詛に負けた玉の緒の切れそうな方のお浄めとは。
与乃登「私には無理でございます。」
弁天様「では、頼んだぞ。」
すっと、お消えになられた。
えーっ!人の話は聞いてくれー!
奥さん「どうなりました?」
あぁ、聞かないで欲しい。
与乃登「妹さんは、弁天様の行者さんですか?」
奥さん「え!わかりますか。そうなんです。でも、急に倒れて。」
与乃登「呪詛に負けたようですね。」
奥さん「は?呪詛?治りますか?」
与乃登「何とも言えませんね。治られても元の躰に戻るかどうか。」
奥さん「医者にはさじを投げられました。尽くす手だてはありません。お願いします。」
与乃登「とりあえず、呪詛返しを致しましょう。」
ここから、与乃登と相手の祈祷師と長い戦いが始まった。
この続きは次回と言うことで。