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おい、君。 カービー・パケットを知ってるかい?
ミネソタ・ツインズで活躍したメジャーリーガー。 メジャーリーグ通算12年。 生涯打率3割1分8厘。 2304安打、207本塁打、1085打点。 89年に首位打者、94年には打点王。 10度のオールスター出場、6度のゴールデングラブ。 でもね、そんなことは、どうでもいいんだ。 おれは、数字で野球を見るなんてことは、本来好きじゃない。 素晴らしい野球選手なら、他にもいくらでもいる。 しかし、その中で、おれが彼を、引退後10年経っても、忘れられなかった理由。 それは、彼の「ルックス」にあった。 まるでマンガのような、ころころとした丸い体つきは、真剣に打席に立っているときでさえ、彼の姿を、まるで小熊がバットにじゃれて遊んでいるように見せた。 そして、彼の笑顔ときたら、もう。 彼自身が、どんな人間か、本当のところは、おれには解らない。 しかし、単純に顔の造作だけを比較するなら、おれは、これほど魅力的な男の笑顔というのは、滅多に見たことがない。 前からずっと、おれは、丸々とした巨体の上に乗っかった、あまりにも無邪気なこの人の笑顔を見ていると、最後には、どこかしら物悲しい気持ちになったものだ。 超一流のスポーツ選手にして、こんなにも優しい顔で笑えるなんて。 96年、まだまだ若かった35歳の時に、死球を受けて視力を落とし、引退を余儀なくされた時も、相手投手を責めないでほしいと微笑みながら言った、と伝えられているが、そんなエピソードが、いかにも似合う選手だったのだ。 事情をよく知らなかったおれは、そんな引退劇に、 「早過ぎるよ!」 と叫んだものだ。 そして、今日、おれは、彼に2度目の 「早過ぎるよ!」 を叫んでしまった。 カービー・パケット、脳卒中のために死去。45歳。 おい、君。 野球になんか、ひとつも興味なくても構わない。 これを見てみたまえ。 彼が、パケットだ。 そして、この笑顔の持ち主は、もうこの世にはいないんだ。 最高の笑顔の持ち主に、繰り返し訪れた悲劇。 おれは、なんだか、やりきれない気持ちだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年03月07日 21時57分38秒
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