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2006年06月22日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
なにやら最近はエレベーターが怖いですね。
死者まで出たのが何より恐ろしいですが、そうでなくても中に閉じ込められるだけでもかなり嫌なものでしょう。
私も少々閉所恐怖の気があるのでそんな事になったらたまらないと思います。
今日はエレベーターでは無いのですが、数年前電車の中で体験した恐怖体験をお話ししましょう。

その日私は10日ぶりくらいにベルギーから戻って日本の電車(東海道線)に乗っておりました。
平日の日中でしたが結構混んでいて私と友人は大きなスーツケースと一緒にキュウキュウになって乗車していたのです。
途中友人が降りた頃から多少隙間が開きだし、次の駅あたりでやっとドアの近くのスペースが確保できてからが今回のお話の始まりです・・・

ふとドアの横を見ると異常に大きなぬいぐるみのような物がビニール袋に入って置かれています。
まぁおそらくドアの横の席に座っている女性のお土産かなんかだろうなぁ?とそれほど気にはしていなかったのですが、次の駅になってその女性が身軽に降りてしまったのです。
忘れ物をしたとは思えません。ぬいぐるみを避けながら降りたのですから。
『ええッ!?じゃ誰の?』と思う間も無く奥から降り遅れた女性が慌てて飛び出して来たのと乗ろうとしていた少々ガラの悪い男性が接触し、女性が「なにすんのよ!このバカッ!!」みたいな罵声を尋常ではない声で叫びました。
タダでさえ因縁つけたくてウズウズしているような男性は「なんだとォ~うぉりゃッ!」とすごんだものの、ホームを駆け出した女性を追うような事はせず、電車に乗り込んで来たのです。

この接触時にぶつかってホームに転げ出そうになったぬいぐるみですが、このガラの悪い男性が「おっとっと・・・」とか言いつつ車内に押し戻して来ました。
この時私の中に始めて嫌な予感がよぎったのです。
ホームに転げそうになっても誰も止めなかったということは、既に車内にこのぬいぐるみの持ち主は居ないと言っていいでしょう。それとともに忘れ物をしていった人が居たとも思えません。(だって私のお腹のあたりまでの高さとたっぷりの横幅を供えた本体がそれより大きなビニール袋に入っていて存在感たっぷりなんですから)
そう思ってよく見ればビニール袋もなんだか変なのです。
今までなんとなくディズニーランドかなんかの袋だと思っていたのですが、そうでも無く既に古ぼけた袋に入っているではありませんか。

気味が悪くなった私は混んだ車内で出来る限りジリジリと後ろへ下がりました。
すると先ほどの男性が突然私に「これあんたのかい?」と尋ねたのです。
もちろん私は答えました「いいえ、違います」
その瞬間周囲の空気が変わりました。
周りの人たちから見てその荷物はどう見ても海外から戻ったらしい私のお土産物に違いなかったのでしょう。それを「違う」と言われたのです。
辺りには『え?じゃぁ誰のなのさ?』という声無き声が飛び交い、一気に緊張感が漂いました。

その時私の横に居た一人のイケメン青年が私に声をかけてきました。
「本当にあなたのじゃ無いんですね?」 「ええ、本当に違います」 
青年は続けます 「わかりました。じゃ次僕降りるんでこれも下ろします」
するとその青年と一緒にいた彼女らしき女の子が「ええッ!?なんでェ~やめなよォ~」と愚痴り始めました。
すると青年は語ります「皆さんに迷惑じゃないか。俺が下ろせばみんな安心できるだろ」
次の駅に着くと青年は私に会釈してそのぬいぐるみをホームに下ろして乗客をホッとさせてくれたかに見えた次の瞬間、彼女の怒りが炸裂!
「やめなって言ってんでしょッ!爆弾だったらどうすんのよ!触るなバカッ!!戻せよッ!!!」
呆気に取られた彼氏は思わずつかんでいたぬいぐるみを車内に戻した瞬間ドアが静かに閉じました。

『爆弾!?』
今まで形にならなかったどす黒い不安が突如はっきりした言葉で突きつけられたのです。
「それ言いながら車内に戻すかボケッ!」
そういう目でホームを見れば睨み返す彼女とは対照的に悲しげな目をした青年が遠ざかっていくところでした。
残された我々はたまったものではありません。
身軽な人は次々離れて行きますが、大型のスーツケースを持った私は逃げるにも限度があります。
『いざとなったらこのスーツメースが盾になるかなぁ?』
『どうかただのぬいぐるみでありますように!』
そして次が自分の降車駅・・という時に新しい登場人物が!

年齢も仕事も不詳という感じの男性が突如ぬいぐるみに近づき、何を思ったかいきなり蹴りだしたのです。それもチョンチョンというレベルではなく、ものすごいキック力で「こうしてやるッ!」とか叫びながら・・・
周りの人間はみな真っ青です。
私も久々に『血の気が引く』という状態を実感しました。
『やめて!爆発する~ッ!!』
周囲の願いを踏みにじるようにその男は絶叫します・・・「ウォリャァ~ッ!!」
そしてぬいぐるみを持ち上げ連結部のドアに叩きつけました。

幸運な事にぬいぐるみは黙って転がるのみで、その瞬間開いたドアから私は飛び出して逃げたのでした。
しかしこの事件は何だったのでしょう?
巨大なぬいぐるみ、神経症的な女性、ヤクザ風男性、正義のイケメンとそれを押さえ込む怖い彼女、欲求不満炸裂男・・・
まるで舞台の登場人物のような人が次々現れて寸劇のようでした。
もっと遠目から見れば私も海外帰りの客として舞台の一人だったのかもしれません。
ともかく異次元空間に迷い込んだような不思議な出来事でした。













暑くなってきたのにムートンの上でのフミフミがやめられないチャップ・・・











「だってちゅきにゃるもん」




ほんとのママのお腹でミルク飲んだのを思い出してるんだよね。





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最終更新日  2006年06月22日 12時03分13秒
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