FORGET　ME　NOT

もう、いいじゃないかって気がしてくる。だって彼はいろんなところで助けてくれた。
見返りは十分に貰っている。一週間一回が、三日に一回になって、どんどん頻繁にかける電話。それってさ、ずるくない？ずるいよね、ずるい。
だって、ずるい。
ずるい女だ、相も変わらず、自分のことしか考えてない。
今、考えうる選択は一つ。
もうわかりきっていることなんだから、早めに決断したほうがいい。
自分で、決めないといけないのだ。
自分の選択を、疑ってはいけないのだ。
だって、私は私でしかないのだから。
どう転んでも、自分は自分にしかなれない。
どう足掻いても、逆立ちとしても、自分とは決別できない
死んでも。
これは最終的に自身の手で決めることだと。
彼は言った。
恐怖の中、まずは踏み出して一歩だとも言った。
前進したいの、もう囚われたくない。
勇気は自分の中で自ずと出来るもの。
そうだね、全くその通りだ。
もう少し迷ってたいの。
もう少しだけ迷わせて