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カテゴリ:L'Arc
虹の橋を渡って参りました。
AWAKE TOUR2005 。今回は、色々と考えさせられたライブ。 以下、ネタバレ及び批判めいた文章も入りますので、悪しからず。 しかも、異常に長文です。自分で書いておいて、呆れ果ててます。いやはや。 オープニングのスクリーンに映し出される文字(と朗読)からして、今回のライブがメッセージ性の強いものだと知らしめてくる。 弓手はささやかな喜びを、馬手は血なまぐさい欲望を。 掛け合う声はやがて交錯し、いずれの望みなのか判らなくなって行く。 人間の望みは、最初は罪のないささやかなものなのに、何時しか血塗られて行くと言いたいのか。 そして、幕は落される。 騒乱と贖いの祝祭が。 今回、過去のライブとは決定的に違うのは、メッセージ性を全面に打ち出した事と、ショー的な演出を加えられた事。(って、多分、過去のライブではなかったよね?) 賛否両論あると思う。 私は、現段階では、残念ながら否定的立場をとる。 (本来なら、複数回見て判断するが、このツアーは今日のみの参加なので断言はすべきじゃないんだけどね。) ラルクの本領は、熱狂の陶酔に溺れると見せかけ、その底から醒めた眼差しで見上げている処にあると思っている。 あからさまでなく、観る側に解釈する力量を求める世界観。それがラルクの魅力だと。 が、今回は、余りに露骨に過ぎないだろうか。 軍国主義者めいた男達の手により打ち振られるピース旗、いつしか戦塵により廃墟と化すの光景。 確かに、言いたい事は伝わってくる。 曲芸めいたパフォーマンスも、曲に即した表現で、それはそれで愉しめなくもない。(トラストのそれは、臍の緒と出産を表現。一寸感心したと同時に、白けたが。露骨過ぎる。) だが、思う。 ラルクなら、具象化せずとも歌の力だけで、世界を紡ぎ出すことが出来た筈だと。 今日は、hydeの歌唱が身震いするほど素晴らしかったので、逆に演出が邪魔に感じられてしまった。 法王のコスに到っては。 推察するに、逆説的な意味合いであのコスチュームにしたのであろうと思われる。 群れる我々は、狂信者の役処か。 それは構わない。言いたい事も良く判る。 が、それが果たしてあの場のあの状況で、どれほど伝わっていた事やら。 私も、今冷静になって思い至った。 何と言うか、そこまでして…と言う感が強く残ってしまった演出であった。 と、大分、悲観的否定的な感想を綴ってきたが、ライブそのものは良い出来だったと思う。 音響がひっじょーに悪かったのが、腸が煮え繰り返るくらい残念だったけど。 一体、何度ハウリングに耳を塞いだ事か。責任者出て来い。 読み通り、2日目のhydeの喉は絶好調だったので、非常に惜しまれる。 そう多い回数を通っている訳ではないが、今日の代々木の悪さはワースト1だったかも。 しかし、それを補って余るほどのhydeの表現力に、感動。 音域や音程に問題があったとしても、彼の歌の力は凄い。 色が、匂いが、光が、その声から伝わってくるのだ。 叙情詩のような切ないバラードのみならず、ノリの良いSTAY AWAYや疾走するドラハイでもそれを表現しているのだから、舌を巻いた。 圧巻は、ラストの星空。最後まで衰えなかった、hyde渾身の歌唱。 絶望感とそれでも縋る祈りの気持ちが込められたこの曲に、思わず涙してしまった。 この歌だけでも、平和への思いは、充分伝わったのに。 MCも合わせて、hydeは大人になったんだと思った。 守るべきものが出来た人間は、己の強さと弱さを自覚するようになる。 強さを知ったから守りたいと思い、弱さを知ったから守らねばと思う。 そこから、愛は始まるんじゃないだろうか。 そして、どうしようもないこの世界も、愛しく感じる事が出来るんだよね。 我々ファンを“可愛い”と言ったあの言葉、本当に心の底からの言葉だと思う。 多分、本当の意味で、ファンも愛せるようになったんだろうな。そう感じた。 さて、堅い話をダラダラ続けて申し訳ないのに、まだもう少し細かな処を。 今度は軽めな萌えポイントをw 大人になったと思わせてくれたhydeだが、反比例して若い!若すぎる! 軍服が似合う似合わない以前の問題で、遠目には高校生の制服のように見えたぞ。 脱ぎ捨てたら脱ぎ捨てたで、なんですかその白い柔肌は。 キミ、絶対逆に鯖読んでるでしょ。実年齢の半分くらいにしか見えないよ。(って、大袈裟だよw) ナチュラルな関西弁が出たあたり、今日の調子の良さを物語ってました。 このツアーもパンクやるのかとチョイ食傷気味で臨んだら、予想外の嬉しい誤算。(事前情報断ってたので) ヴォーカル交代制は、ナイスアイディア。 それにしても、ユッキー。あぁ、ユッキー。お慕い申し上げておりますです。 例え、一寸姑息な髪型にチェンジしていても、そのドラム、その二の腕。堪らんです。 それが、あの、あの、あの…あぁ、言えない。凄過ぎて、夢だったのかとすら思えるあのヴォーカルの事は、筆舌に尽くし難い。 パンクじゃなく、究極のデスメタル風味で、花葬を供養してしまったと言う感じ。CDが欲しいw それにMC…どこまで悶絶させて下さるのでしょうか。 塊魂…王子…当て振り…何だか、冥土の土産級のものを見せて頂いてしまったのかもしれないぞ。これ映像化したら、絶対に入れて欲しい。(※今日はカメラ入ってたので) ユッキーは天才だ。壊れゆく天才だw ユッキーとhydeに気を取られすぎて、お哲とkenちゃんは一寸印象薄し。 あ、でも初めて、お哲をしみじみとカッコイイと思いましたです。ハイ。 (理由は、我ながら定かではないんだけどね) いい加減、文字制限ギリギリな悪寒。最後にまとめ。 後半の盛り上がりと勢いは、非常に心地よかった。 兎に角、理屈抜きに、hydeの声にラルクの音楽に酔いしれる。 熱狂と陶酔と。そして、確かに潜む怜悧な眼差しと。 彼らと我々が、確かに融合した瞬間だった。そう信じている。 それだけに、前半に感じた齟齬に引っ掛かりを覚えるのだが。 まだ興奮冷め遣らぬ今、冷静に考えるのは無理かもしれない。 ゆっくりと、考えてみようと思う。 でも、幸せだったよ。 一瞬でも、1つに溶け合った時間があったのだから。 虹の橋を、一緒に渡ったのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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