テーマ:本日の1冊(3683)
カテゴリ:読書
初・嶽本野ばら。 彼の美意識に貫かれた、美しくもグロテスク、だけどポップ(?)な寓話。 皮膚が徐々に鱗に変質していく、鱗病という遺伝病に侵された美少女が主人公。 美を至上のものとして生きる少女にとって、己が醜く変容していく運命は耐え難いに決まっている。 人間の生き血が鱗の拡大を抑制すると知った少女は、同じ鱗病を患う叔母が、人を殺し、その血を奪って美しさを保っているのでは?と疑うのだが・・・。 物語は、鱗病を知った少女の兄と、少女が結ばれて完結する。 異形を受け入れて結ばれる、というわけで、ハッピーエンドと言えるのだろう。 最後の一文の「一つの単なる生命体であること」が、つまり、この作品の核であるように思うのだけど。 この作家も、ストーリーがどうとかよりも、その独自の作品の雰囲気を鑑賞するタイプかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.11.28 21:27:56
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