ウクライナ長期戦の予感ですな
いつでしたか、オレ過去に何となく書いた戦史系の記事で「戦争で勝つために一番最優先にすべき要素はなんだ?」みたいな記事で『兵站』と書いてた気がして、過去の記事を探してみました。これですな。戦争するにあたって最優先にされるべきものオレみたいな軍人でもない単なる戦史好き一般人ですら知ってる内容なので、これはもう常識だと思ってたわけです。前回の記事も開戦2~3日後に書いた気がしますが、その時すでに兵站切れの兆候出てたし。開戦3日にして既に補給切れ起こしてる兵站管理の甘さとか、制空権も取れてないのに精鋭の空挺飛ばして輸送機ごと撃墜されるとか、どうもそれこそ素人が戦略シミュレーションゲームですらやらないようなポカをやらかしまくってるあたり、オレの中で一つの仮説が…「もしかしてロシア軍の総指揮官ってポンコツなんじゃね?」と。もしインパール作戦の牟田口レベルのポンコツがロシア軍の参謀本部にいた場合、あり得る話だなーと。そのミスは、それこそオレが数年前にちょっとハマってたWWⅡPCゲームの「Hearts of Iron4」で初心者の頃に大日本帝国で関東軍全軍で満州からシベリア進軍してモスクワ目指すという大暴挙を敢行して兵站切れのまま泥沼化したという、ゲームのレベルですら予想できる凡ミスなのだ。なんかロシア軍の上級大将がウクライナの狙撃手に射殺されたとか、初手の被害のウチの何割かは同士討ちだとか…まぁ後だしジャンケンぽくなるけど、オレはちょっと予想してたけどなー。ソビエト時代どころか帝政ロシア時代から、あの国は「守り始めるとクソ強いけど攻めると大体負ける」という歴史があるし。まぁ厳密にいえばフィンランドとの冬戦争は「一応勝った」ことになってるし、トルコとかオスマン帝国との間じゃ昔から何度も殴り合って一応は勝ち越してるけど戦果としては結局征服できてない。直近数戦のクリミア戦争や第一次大戦じゃやられてるし。日露戦争でも負けてるし。ただ攻められた時はナポレオンでもヒトラーでも倒せなかった国なのだ。補給切れて士気も高くない軍が他国侵攻で勝てるわけもないので、現状はなるべくしてなったと思うんですが、オレの予想以上に何倍もウクライナは持ちこたえてますな。でも、オレの中では「NATOは負けた」と思ってます。少なくともプーチンがベラルーシに核配備チラつかせた時点で「あ?上等だコラ。」と一歩も引かない構えをポーズでもいいので見せなきゃダメなんだ。それが「核の抑止力」として長く戦争を防いできた原理なので。そこでNATOがビビって「ロシア刺激したら核攻撃される」なんて弱腰を少しでも見せると「あぁ、核ってこう使うんだ」と中国とか北朝鮮の暴れん坊将軍とかが学習してしまうので。実際にロシアはNATOと交戦したら勝てません。ましてや核の応酬になったら確実に負けます。北極海には核積んだ米軍の原潜がウジャウジャ潜ってますし。ていうかね、この戦争で一番儲けてるのアメリカだからな。ロシアがエネルギー止めて困ってる国に「ウチのガス買いなよ」で稼ぎ、武器もバンバン売れると。ぶっちゃけ戦争長引いてくれた方が助かるのだ、アメリカ。本音ではウクライナがどうなろうが知ったこっちゃないんだろう。だってあれほどNATO入りを願うウクライナは保留なのに、今回の件で危機感募らせたスウェーデンやフィンランドがNATO入りを目指し始めたら大歓迎でしょ?結局みんな口じゃ威勢のいいカッコいい事は言うけど、本音は「自分の都合」だからね。ただ、ロシアにエネルギー依存してて弱腰だったドイツがポーランドにケツ叩かれて一気に政策変換したあのフットワークは日本見習うべきだけど。脱原発でロシアのガスに依存してたらガス止められて「じゃあ原発再稼働や」がすぐにできたからな。オレは「原発なんて停めてたって金かかるんだから金かかるなら動かしとけよ」と思う派ですけど。日本国内でも色々な声が出てますが、そこは長年平和に慣れた日本人なので他国とはちょっと違いますな。オレは「どうせまた千羽鶴とか送り始めるバカとか出るんだろな」とか思ってたら案の定ですし。あれは送る側の自己満足で実態はただの可燃ごみだ。コメンテーターも色々ですな。橋下徹はオレそんなに嫌いじゃないのですが、今回の彼の主張には完全否定派です。「ロシアとNATOで停戦の為の妥結をすべき」との意見。その昔、第二次大戦始まる前にイギリスはじめ連合国とナチスドイツの間でチェコスロバキアのズデーテン地方の帰結について「ミュンヘン会談」という会合が行われた。そこにチェコの席は無い。結果として「これ以上の領土拡大はしない」というヒトラーの約束を信じて連合国はチェコスロバキアのズデーテン地方をドイツに割譲した。当然チェコはぶち切れたが、当事国以外で妥結なんぞしたらそうなる。そして結局ヒトラーはポーランド侵攻して大戦がはじまる。ウクライナ守る気のないNATOとロシアの間で妥結なんぞさせたらダメなのだ。あとこれも日本人らしいんだけど「市民が犠牲になるから平和のためにウクライナは降伏した方が良い」との声。一般人ならまだしも有識者とされるコメンテーターがこれ言うのは、さすがにオレも飲んだ梅昆布茶が鼻から逆流するレベルで驚いた。一つ聞きたい。「降伏すれば平和的解決だって前提はどこから来たの?」と。言っとくけど相手はロシアだぞ?捕虜なんか監獄ぶち込むかシベリア送るかの2択だぞ?日本人なら身に染みてんだろ?太平洋戦争終戦時に満州で武装解除した日本兵どうなった?歴史の教科書に書いてあんだろ?ウクライナの国民が民兵化してゲリラ戦も辞さずで抵抗する心理ってわかんないかな?キミはあれか?自分の子供や嫁さん家族の住む家に暴徒やチンピラが迫って来たら戦わないの?「降参します。好きにしてください。これが平和です」って考え方?男ならそこはキッチンから包丁でもガレージから鉄パイプでもいいから持ちだして戦うじゃん?平和な生活ってのは与えられるもんじゃなく自力で得て守るべきもんなんだよ。無抵抗でシベリア送りにされるか奴隷として自由なく今後の人生を生きるかと想像したらさ…高くないよな?自分の人生を自由に生きる為に命の1つや2つ賭けるくらい。だから俺らのご先祖は自分より何倍も図体の大きいロシアやアメリカと戦う決断したんだぞ?著名人でも意見は色々ですな。オレは坂本龍一の音楽は好きだし戦場のメリークリスマスは映画で3回くらい見たけど、彼の「戦争は外交の失敗」という意見には異論アリです。戦争は「外交の延長にある最終手段」です。だから「戦争しないで話し合いで解決しましょう」が詭弁なんです。戦争は外交の延長なので戦争中も両国の外交官は戦争止める為の話し合いはそもそも継続してます。だから「戦争は外交の延長」なんだよ。交渉で納得できず折り合いつかないから殴り合って「自国に有利な条件」を作るために戦争するんです。敵の都市の一つでも占領すれば「都市返還するからウチの条件飲め」が言える。敵の戦力が壊滅すれば「条件飲まなきゃ攻め落とすぞ」が言える。戦争って外交なんです。何を要求するかで変わりますけどね。まぁ色々な意見が出るのは当たり前だし、オレは別にミュージシャンや俳優がどんな思想だろうが「作品と個人の思想は別」で見てるので、橋下徹は嫌いじゃないけど多分同じ席でこのテーマで議論したら口論になる気はする。坂本龍一とこの戦争について議論したら喧嘩になりそうな気はするけど、それでも彼の音楽は嫌いじゃない。完全左翼の立川談四楼の政治観は完全否定派だけど、落語は別で談四楼の「夢金」は面白い。岸田首相は「北方領土は日本固有の領土」と以前の表現に戻したそうな。でも多分、あのオジサンその意味はよくわかってない。オレからしたら「じゃあ武力で取り戻す覚悟あんだよな?」である。外交は「金」と「軍事力」でやるもんだ。がオレの持論です。まぁ大暴落中のルーブルなので今なら金で買い戻せるかもしれませんけどね。全世界から大ヒンシュク買いそうですが。swiftのコード云々ってのはオレ金融はよく分からないのですが、そこからロシア締め出したって事はアレでしょ?早い話がロシアでナンボ金稼いでも、それをドルや円に換える事はできないわけだよな?ロシア政府は国内企業や国民に外貨売ってルーブル買い支えろと言ったとか言わないとか。でもロシア中央銀行は「ルーブルなんかガンガン刷るぜ」と言ってんでしょ?…外貨でトイレットペーパー買わされるようなもんか?インフレまっしぐらコースじゃないか。経済制裁って即効性は無いけど、ジワジワ効いてくるみたいだな。一部じゃロシア破綻するとかなんとか言う人もいるけど、日本と違ってあの国は過去何度も革命やクーデターや内戦で破綻してっから慣れてんじゃない?ちなみにオレ、戦史好きではありますが戦争は大嫌いです。戦争が嫌いだし日本が他国に攻め込まれたり攻撃されるのは嫌だからこそ、日本は軍備拡大して9条なんか便器に流しちまえと思うわけです。極端な話、日本がもし今のアメリカくらいの軍事力を持ってたら日本は戦争と無縁でいられますよ。平和にボケて気楽に生きていきたいなら軍事力はその平和を担保してくれる一番の武器です。…てのをウクライナから学んでくれればいいんですけどね、日本人も。