カテゴリ:ちょびっと怖いお話し
実を言いますと、我が家はお寺です。
数々の試練や苦労を乗り越えた母が最終に選んだ道は 住職でした。 もともと困っている人を放ってはおけない人でして。 で、生まれつき勘の強い母の元へは、 不思議な現象で困っている方の相談も多いのです。。。 R氏が最初に我が家に訪れたのは今から約20年前。 「家の中をおばあさんが歩くねん!!!」 と言ってやってきたのが最初だったと思う。 そういってR氏との縁ができて、初めての正月のこと。 元旦早々から慌てふためいて電話がかかってきた。 「怪奇現象がおこったぁぁぁぁ~~><」 と。 今では一児の父親でどっからみても立派なおっさんの R氏も、まだこの頃はおぼこさの残る青年だった。。。 「何があったの?」 と冷静に問う母。 内容はこういうものだった。 朝、お重に数の子を詰めようとしたら、つけてあった出汁ごと 数の子が一切れもない。 最初はねずみにでもやられたかと思ったのだが、 数の子は意外な場所で見つかったというのだ。 さて、数の子はどこにあったのか・・・・? R氏の家の3畳ほどの大きさのある風呂場で見つかったのだ。 風呂場の大きさにもびっくりするところなのだが、 更なる驚きは、その数の子の状態にあった。 なんと数の子は風呂場の床に円形になるような形で綺麗に 並べられていたのだった。 そして、円形の数の子の中央に昨晩の残りのすき焼きの肉が ちょこんと置かれていたという・・・。 R氏の家族の誰かのいたずらか? とも思ったけれど、 この家族、決して食べ物だけは粗末にするようなことはない。 このなんとも笑いがこみ上げてくる数の子事件・・・ さすがの母も首をかしげていた。 そして数日後、新たな事件がR氏を襲う。 「火事になった・・・・」 そう言って谷底の底からつぶやくような声で電話をかけてきた。 むむう。何かよくないことがR氏の家にはあるか・・・? と、頭を悩ませる母。 しかし、火事は怪奇現象ではなかった。 R氏による天ぷら油の不始末であったのだ。 火事になったのも、台所少々と被害は少なかった。 R氏の頭髪を除いては・・・・。 はてさて、数の子と肉はこのことに注意を呼びかけるメッセージ だったのか・・・はたまた・・・ねずみの宴の後だったのか・・・。 その謎は未だに解けていない。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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