祝祭日の密談
2007年1月1日、我々はハバナにいた。カストロの演説でもありやしないかと期待して行ったのだが、街は静かであった。新聞にカストロの声明が少し載っていただけだった。新年初日は、ヘミングウェイがよく酒を飲んでいたというバーでハバナ大学の教授と会い、この国の未来について話した。”現実は厳しく、未来は常に輝いている。”そういうものだ。シリアでぼくに秘密警察の目を恐れず大声で革命を叫んでみせた若者。軍事政権下のミャンマーで、公安天下の北京の路上で、小声でも力強く若者達は未来を語る。よく見えないものだから、信じることは一つの解決策となりうる。信じることは力だ。