角松敏生「TDK REAL SOUND JAM 」第29回レポート-その2-
(その1からの続き) サウンドレクチャー、このコーナーは番組コンセプトであります、リアルサウンドをテーマに角松敏生が提唱する記録するに値する音楽についてさまざまな角度から迫ってみようではないかというレギュラーコーナー。さあ、え~と~、ま、角松流、音楽の歴史講座第三弾。え~、まあねえ、あらゆるポップミュージックのね、え~、源泉となっております、黒人、ん~、音楽、え、ね、どのようにして生まれたのか、まあ、あの、アフリカのもともとの人々の音楽、どんなものがあったのか、とか、あるいは、言語のねアフリカの言語のリズムとかそういうお話をしてきましたけどいよいよね、この、アフリカの人たちにとっては、暗黒時代アメリカに、その奴隷の時代がやってくるわけでございますね。でも、この、アメリカの奴隷制がいかにひどかったか、そういことっていうのはですねほんとにこう、語ってたらきりがないっていうか・・・あの、例えば、一言で言うと、例えば、そのかつてのアメリカにはブラックコード、黒人法という州ごとの法律がありまして、例えばこんなこと、「奴隷は売買の対象となる財産であり、市民権は存在しない。奴隷は死ぬまで奴隷であり、その子供もまた奴隷として扱われる。奴隷に読み書きなどの教育を施してはならない。独習も禁じられている。奴隷は、財産の所有や結婚など全ての契約的行為の当事者となることも許されない。」え~、まあ、これだけ聞けばわかるかと思いますけど。いかにひどかったかということなんででございますけどもまあね、さらに、州ごとに、細かなね、え~、決まりがありまして通信手段でパーカッションを使うなんていう話もしてたじゃないですかそういうことの所有も禁じられたり、集会を禁じられたりまあ、反乱予防策ですね。まあ、それから州によっては、黒人たちをさらに分断するためね、彼らが、かつてアフリカで所属していた部落名を調べあげて、同じ部族が集まらないようにばらばらにしたり、徹底的に彼らの共通文化を消し去っていったというわけなんですね。まあ、あの逆に言っちゃうと、カリブ海諸国のほうはですね、まだその、アフリカの宗教、音楽、言語がね、こう使われてるところもあるんですけど、アメリカではね、まったく、そのそういうものがなくなっている。しまっていたっていうことでございます。なにしろ、ひどかったわけですよ。ま、ひとつひとつを細かく言うといろいろ大変になってしまうんですけどね、たとえば、あのジュリアス・レスターさんとういう方が書いた、「奴隷とは」という本がありますので、もし、詳しく知りたければ、皆さん、自分で独習していただきたいなっていうふうに思いますけども。あの、基本的に、でもね、この奴隷にするための方法っていうのがやはり、力で、暴力と監視と束縛、もうひとつはマインドコントロールっていうのがあるんですね。ご主人さまに忠誠を尽くすことで、それが自分にとっても幸せなことだと信じ込ませる方法ですね。今の、カルト宗教がやっているようなことと、まあ同じことなんですけどもこれが、要するに、その、ね、大宗教である、キリスト教を利用してその、黒人たちをこう従わせたっていうふうにもなっていくわけですよ。要するに。その流れの中で、そのキリスト教文化っていうものが黒人たちの中で、独自に発展していった結果、生まれてきたのがゴスペル、なんですね。この黒人の人たちの、その奴隷の人たちの独自のキリスト教の解釈というものから生まれてきたというものこれ、ある意味、日本の隠れキリシタンも近いものがありますよね。だから、その、独自の解釈になっていた。基本的には、だけどその、平等をうたっているキリスト教ではございますけども、この時代のキリスト教は、黒人に対しては、ご主人さまに忠誠を誓うことで、神に認められ、天国に入ることが出来る、まあ、そういう理屈で、いってたわけで、まだまだ黒人にとってはつらいもんだったんでございますね。アレサ・フランクリン「Young, Gifted and Black 」 ♪♪♪Aretha Franklin "Young, Gifted and Black” さあ、お届けしているナンバーは、アレサ・フランクリンまあ、ゴスペルのね、ナンバーでございますけど「Young, Gifted and Black 」さあ、こうして、黒人たちはね、聖書の言葉を、教会で学び始めましてですね、もともと文字が読めない彼らにとっては、耳の記憶やっぱ、あの、耳がすごくいいんですよ。黒人の人たちってのはね、すぐ、それを体に入れられるという。ね、え~、そして、またこういう風に、その、ね、歌となった聖書の物語がね、黒人聖歌が、二グロスピリチュアル、もしくはブラックスピリチュアルと呼ばれる音楽に発展していくわけでございますね。うん。え~、まあ、アフリカから彼らが持ち込んだ、複雑なこのハーモニーとかね、コード&レスポンスそういったものが、この~、取り入れられていく。これが、現在のね、ポップミュージックの源流にもなっていくんじゃないかなというふうに言われてますね。まだまだ、この黒人の辛かった歴史のはなし、来週も続けてお届けしたいと思います。以上、サウンドレクチャーのコーナーでした。 TOKYO FMから角松敏生がお届けしてまいりました、 TDK REAL SOUND JAM いかがでしたでしょうか~。 ってことでね、しばらく、こう、あの~ちょっと、 真面目なお話が続くわけでございますけどね、 まあ、いろいろと、その辺で、その~、なんていうんですかね、 その、歴史をあまり知ろうとしない今の日本人って言うか、 えー、ただいろいろ、こう、言う人は居ると思うんですけども、 あのー、歴史はひとつの方向からだけ見てはいけない、 いろんな方向から見なければいけない、 で、真実はいったいどこにあるのか?って言うのは、 各々が独習するべきだと僕は思うんですけどね、ん~。 ま、いずれにしても、そういうところもね、こう、一応見て、 それで、今の音楽と言うものをね、感じていく、こういうこともね、 必要じゃないかと、逆にこう、聞いて楽しけりゃいいやって言う ことだけで、いいのだろうかどうかと、思うわけでございますけどね。 さて、そんなわけで、TDK REAL SOUND JAM、皆さんからの メッセージをお待ちしております。 角松敏生への質問、番組へのメッセージ、 サウンドレクチャーのコーナーでやってほしい企画など、 何でも結構でございますね。送ってください。 今月10月は、番組にメッセージを送ってくれたリスナーの中から抽選で、 音楽用CD-R「DEAR MUSIC」を、毎週10名様にプレゼントしています。 シンプルで上質感溢れるカラーとデザインのパッケージ&ディスクでございます。 美しいレーベル印刷が楽しめる音楽用CD-Rでございます。 持ち運びや、ディスクの検索に便利な ファイルケース入りで、20枚パックとなっております。 ふるってご応募ください。 えー、なお、プレゼント希望の方はね、必ずあなたの 住所・氏名・電話番号を、書いてくださいね。送れませんから。はい。 えー、あて先。 はがきの方は〒102-8080、102-8080 東京FM TDK REAL SOUND JAM ファックスの方は、東京03-3221-1800 03-3221-1800 メールの方は、kadomatsu@tfm.co.jp kadomatsu@tfm.co.jpまで、たくさんのご応募、メッセージ、お待ちしております。 ってことで、お届けしてまいりましたTDK REAL SOUND JAM そろそろお別れの時間となりました。 季節の変わり目です。風邪などひかずに元気でね! また来週土曜日夜9時に東京FMでお会いしましょう お相手は角松敏生でした! I See Ya!