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カテゴリ:アドラー心理学
感情をコントロールすることと
感情にフタをすることは まったく別です。 フタをされた感情はいつかは噴き出します。 多くの人は、すでに起こっている感情にフタをしただけで、コントロールしたつもりになっています。 周囲にはバレバレだったりします。 例えば、怒りを感じているのに 怒りなんか感じていないふりをして フタをして我慢をしていると いつか、とんでもないときに爆発して 数十倍ものエネルギーで爆発して ものすごい被害を及ぼします。 恨みや罪悪感や悲しみや恐怖をしっかりと感じているのに それにフタをすると 身体症状になって現れたり 実際に病気になったりガンになったり 交通事故を起こしたり 喘息になったり アトピーを引き起こしたり うつ症状になったり 神経症になったりします。 感情に強制的にフタをしてしまうことは コントロールでも何でもありません。 刃物を持っているのに持ってないふりをして 衣服の中に隠して自分の体を切り刻んでしまうようなものです。 ある感情は その感情を使って目的を達成しようという 意図と ものの見方や考え方が 最初にあって その意図と ものの見方考え方にそって 目的達成のための道具として その感情を使うのです。 だから、目的を変えるか 変えないならば 目的達成のための その感情以外の道具を用意するかしないと 感情だけにフタをしても バイパスを用意しないでせき止めた川のように 溢れて洪水になってしまうのです。 たとえば、 怒りはもともと 身の危険から自分を守るための感情ですが、危険から身を守るという目的のせいで一番激烈でパワーがあります。 で、よく他人を自分の思い通りにするという間違った目的のために使われます。 だから、ある人の言動が「許せない」と思っている つまり正義中毒になっている場合 そういうものの考え方をし続けている以上 「許せない」言動を修正させたくてたまらなくなり 修正させるという目的にそって 「怒り」が生み出され、 ある人は怒りにまかせて 怒鳴ったり攻撃したりします。 ある人はそんな行動を取る習慣はないけれど 「許せない」と思っているので 怒り系の感情は消えないで いつまでもイライラを感じたり 鬱積したマグマのような不満を感じ続けるわけです で、「あ、怒っちゃいけない。」と思った人が ある人の言動が許せない という考え方の方をまったく変えないで 怒りという感情だけにフタをすると いつかは爆発してとんでもないことになってしまうのです。 ○目的の変更 「とんでもない言動を取っているあいつをどうにかしたい」という目的を捨てて 「ま、いいや。そんな状況の中でも自分にどんな最善が尽くせるかを追求しよう」という目標に変えると とたんに怒り系の感情はまったく感じなくなるのです。 目的が変わったのですから、もう怒りなんかを使って相手を操作しようとしなくてもいいのですから。 ○道具の変更 「あの人の言動をどうにかしたい」という目的は変えないで、 何とか言動を変えてもらうために 話し合いを提案して 冷静に話し合う。つまり、怒り系の感情を使う代わりに、「話し合いの技術」を使ったのです。 でも、「正義は自分にある」というヒーロー幻想を持っていると 話し合いをして 人と妥協をしあって 協力していくということがしにくいので 道具を変えるためには 「許せない」とか「あいつは間違っている」とかいうヒーロー幻想は他のものに代える必要があるかもしれません。 感情は結果なのです。 だから結果である感情のおおもとである目的や考え方を変えないことには 感情はコントロールできません。 そのためには 不適切な感情の代わりに使う適切な代替案を知っていないといけません。 そして、ケースバイケースで練習していく必要もありますしね。 「感情はコントロールできる5」に続く 熊本こころ相談室http://yukiduke.racms.jp 電話こころ相談室http://yukiduke.indent.jp お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月05日 18時34分45秒
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