669190 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

我思う、ゆえに我あり

我思う、ゆえに我あり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Profile

yukie_yo

yukie_yo

Category

Calendar

March 3, 2009
XML
カテゴリ:仕事
以前神門氏の「日本の食と農」を読んで、JA批判色が強かったので、JA側の言い分も知らねば不公平なので、JA全中前専務理事である山田としおさんの本を読んだ。

内容を読む限り、神門氏の述べている事実については否定はない。(同じ事実を基に話をしている)

けれど、同意できない箇所もある。

その際たるは、「農家が資産として農地を手放さなかったという批判の前に、農地をいたずらに高騰させた経済運営に問題がある」ので、農業者に過保護農業批判をするのは間違いだ、という。

果たしてそうだろうか?経済運営云々の前に、農地の値段が上がるかもしれないと踏んで農家が土地を手放さないのは、各農家の自衛策であるのは、わかる。が、農地を農地として利用していないということは、固定資産税法違反とか、農家であるが故にもらえる補助金を不当にもらっているということにならないの?

むしろ、農業にビジネスマインドをもって取り組もうとしている、意欲ある農家・企業と高齢により利用されていない農家とを結びつけて農地の貸し借りをできる仕組みを作り上げる方が、JAの今後やるべき仕事ではないのか?

実際、著者も、農家の高齢化により、作り手をこれから育てていかないといけない、といっている。であるならば、やる気のあるのに、農地を増やせないで困っている農家を支援する方がよほどましではないのか?

他の本を読めば、町場(確か小田原だったかな)が手伝っている事例もあるから、全くできない話ではないのではないかと思う。

JAが農家と日ごろ接しているのだからこそ、その強みを活かして、どこそこのお家の農地は遊んでいるのだとか、情報を持っているはず。

もっと欲を言えば、どこそこのお家の農家は非常にやる気があるし、品質向上に余念がない、こだわりの逸品を作っている、という情報をもっている「はず」である。その情報を外食産業や小売業、物流業、消費者に紹介していけば、いろんなコラボレーションが生まれるはず。

消費者は、食に関しては、画一化された、個性のないものに興味をあまり示さない。こういう状態では、商品そのものに個性がなければ、売り手側にとって、安いというか、アクセスのしやすさくらいしか、もう主張のしようがない。だけど、いまさらざらにあるもので安いと思わせるには、国内ではほぼ無理だ。そんなところで勝負したら輸入物が勝つ。

だったら、高品質、ブランド化させる以外に手はない。そうしたマーケットを一番理解しやすいところにいるのが、同じ食文化を共有している日本人である日本農家ではないか。しかも、消費者はお金をもっている。ほしいと思えば、他の出費を抑えても買ってくれる。

だから、ちゃんとこだわりの逸品を作っているところをもっと世に知らしめるマーケティングやPRを手伝ってあげるところに、JAの意義があるように思うので、そうした作る側と消費者やその間にいる業者を結びつける仕事をもっとすべきではないのか?

農業の本を最近読んでいるけど、あまりに作り手と消費者の間に距離がありすぎる。全然反応が分からないしくみになっている。それを打破している人々が成功しているのであり、ニーズを掴みやすい状況を作れば、JAは地域に必要な存在になること間違いナシだ。

農協ツアーで東京に遊びに来るのもいいけれど、ちゃんとスーパーやレストランでどのように自分たちの商品が使われているのか、勉強させなきゃ。

JAの将来像として、農業以外にコミュニティに貢献する方法も挙げられているが、そんなのは、地方自治体に任せるべき問題であり、むしろ本業である農業支援をもっと真剣にフォーカスした方がいいのではないだろうか?JA全体のコマーシャルを打つより、都道府県の特産農産物のコマーシャルでもうったら?例えば、京野菜、いくつ言えますか?とか、東京都の名産野菜は何でしょう?とか、七色のバラは私が作りました!とか、いろんなキャッチコピーができるはずだ。

もう一つ、FTAの取り組み方で、確かに工業製品の関税を引き下げさせる代わりに、農業が犠牲になるのは納得できないという見解は理解できる。

さらに、山田氏は他の国の農業が共存できる状態を作りたいという。

であるならば、日本へ輸出することで他国の農家は生き残りを図っている、図りたい、という見方もできるわけだ。

国内の農家の立場から考えても、日本のマーケットを閉じっぱなしもどうだろうか?例えば、日本の農地を増やせずに困っている農家たちも、外に出ればいくらでも農地は買える訳で(まあ、気候や土地の地質などは違うでしょうが、できるだけ近いものを選べるはず)、国内での作り方と全く同じ作り方で収穫物を日本に輸入していく、という展開も想像できよう。また、一部の作業を国外の労働力を使ってコストを下げたいとか。

これから輸出も視野に入れた、攻めの農業を考えるなら、コストも考えないといけないし、大量生産が可能な状態を作る必要が生まれるかもしれない。(少量生産にこだわって、値を吊り上げるのはありだけど)

日本の消費者にすれば、日本の市場を開けることで、安い輸入ものがさらに安くなるというメリットもあるけれど、日本の農家がさらにブランド化に励んでさらにいいものを作ってくれるというメリットもある。

工業製品は、既に作れば売れる時代は過ぎたと認識されている。工業に携わっている人の常識が、農業でも常識になりつつある。

いっそ、5年後に日本の農産物市場を開けるから、それ以内に国内農産物のブランド化に努めよ!といった方がみんな真剣に動いてくれると思うんだけど、な。小沢一郎じゃないけど、日本の農家なら市場を開いてもやっていけるんじゃなかろうか?かなりいろんな成功事例が出てきているということは。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  March 4, 2009 01:58:36 AM
コメント(0) | コメントを書く
[仕事] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.