我思う、ゆえに我あり

2010/04/09(金)13:45

オバマの核戦略

時事(190)

ここのところ、オバマの核政策、驀進中。 オバマの核政策の基本文書というべき、核ポスチャーレビュー(NPR)を発表し、ロシアとの核兵器削減条約の更新を調印、来週は核サミットを開催し、約50カ国の首脳陣を迎える。 さて、ここで考えなければならないことがある。 なんで、オバマは核軍縮を訴えるか?である。 そもそも、軍縮なるものは、別に世界平和を希求する行為ではない。だって、自分で自分の優位性を崩すようなことは、国際政治ではまずしない。(代替の利益を求める) こういうときには、ウラがあると思って差し支えない。 だいたい、軍縮や特定兵器の使用禁止、拡散禁止を最大の兵器保有国(要はアメリカ)が謳うには、以下のロジックがある。 1)アメリカで軍縮したいと提案する兵器以上の兵器を開発した、 2)よって、その兵器は既に中古というか、旧式である、もしくは、在庫が多すぎるので、削減したい、 3)自ら削減するついでに、他人のも削減したい。なぜなら、大体新兵器は、いまや旧式となった兵器技術の延長線上で開発されている可能性が高いから、その実験や技術拡散を防ぐことにより、他国との軍事力格差を一層広げられる、 4)どうせ削減するというのなら、大々的に宣伝して、世界にいい顔をしよう、 というロジックを踏まえて、核兵器を旧式にした新兵器とは何ぞや?と思っていたら、今日のワシントン・ポストに出てました。 世界中のあらゆるところへ1時間以内に到達できる、弾道ミサイル。これを、カリフォルニアにおくらしい。 上記ロジックの正しさを証明してくれる、記事であります。 で、このNPRを読む限り、この核政策の主眼は、アジアではなく、ヨーロッパにあることが読み取れます。NATOに割いているページ数の多さとか、イラン、北朝鮮には基本原則(アメリカが先に核を使わない)を適用しないといっている(NPTを遵守しない、ふてえ野郎どもにはそんな奇麗事をいってられねえ、ということです)ところから、とか。 そしてそれをさらに証明するのは、核サミットでオバマとのサミット会談が決まっている国の顔ぶれをみると、アジアで会うのは中国くらいで、あとは、みんなヨーロッパ側、中央アジア諸国。 そう、真剣に、アメリカの核の傘が失われるんじゃないか、俺たちはアメリカをどれだけ頼っていいんだい?(アメリカにその気がなかったら、ロシアに擦り寄るから、教えてくれ)とオバマに詰問することが決まっている国々であります。 中国の場合は、最近米中関係が冷えてしまったので、その関係修復のためと考えられる(これについては、明日以降書きます)ので、例外とみていい。 なので、鳩山とあう時間などない、ということだ。普天間なんか、オバマの核政策の前にはすごくちいさい問題でしかない。 ある意味、これは、オバマからの明確なメッセージと受け止めればいいと思う。それを、未だに鳩山は普天間問題の経緯を説明したいなどと、たわ言を言っているけれど、(そして、晩餐会でオバマの隣に座ったときに説明しようとするんだろうけど、)早い話、無駄である。 それよりか、オバマの隣に座るというのなら、中国と何を話した?と聞くのが筋というものである。うちも、中国の次に使えねえ財務省証券を山ほど持ってるんだけど。 そうしたら、オバマ側は急遽サミットを開こうとしてくれるかもよ。

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