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テーマ:政治について(19774)
カテゴリ:時事
この間、アメリカ覇権にしがみつくというか、食い尽くすというか、食い物にしているイスラエルはアメリカ覇権の凋落にどう対応するんだろう?という趣旨のことを書いたが、その翌日、NYタイムスに答えが書いてあった。何てタイムリー。当ブログを読んでいてくれたのかしらと思うくらいです。
その答えは、アメリカがイスラエルを現実に向き合わせるように、突き放す、でした。 その一例が、アメリカがイスラエルをNPT(核不拡散条約)に入れようとする、ということ。これは、ものすごい、大転換。 イスラエルは昔から核を持っていたが、欧米メディアのだれも、NPTに入れ、なんていわれなかった。もちろん、中東諸国は言っていたのだが、ずっと無視され続けられていた。 きっとアメリカがイスラエルに核技術諸々を提供していただろうから、アメリカが一番よくイスラエルに核があるというのを知っていた。ということは、欧米メディアも知っていた。 なので、あれだけ中東諸国とイスラエル間で中東戦争をやっていたのに、第四次以後ぴたっとやめたのは、イスラエルに核がもちこまれたのを中東諸国は知ったから、といわれている。 だから、イスラエルの核保有は、公然の秘密。 だけど、絶対にアメリカはイスラエルが核を持っていることを公式に認めなかった。それに変化がおきたのはブッシュ政権。高官が、しれっとイスラエルが核を持っているといった。 この発言をもって、みんな、やっぱり、と思ったのだが、だからといって、何も実質起きなかった。 そして、核不拡散を大きくテーマに取り上げているオバマ政権になっても、政策上変化はなかった。オバマが初めて、核不拡散サミット(日本語だと核サミットと訳すが)を開催したときも、イスラエルは出席していない。別格扱いされていたし、みんなもそれについて突っ込みはしなかった。 なのに、ここにきて、オバマ政権がイスラエルにNPT加盟を勧めるということをアメリカ・イスラエル間の文書に書いた。表向きはアラブ諸国の要望をいれたということだが、本音は、もう核を持っているのに、持っていないふりをして誰にも文句を言われないという、イスラエルの特権はもうなしね、ということだ。 つまり、アメリカが今まで無条件で与えていた特権はなくなっていく、ということだ。 いいかえれば、イスラエル自身がアラブ諸国と共存の道を探すしかない、というメッセージだ。もうアメリカにおんぶに抱っこはできません、ということ。 とてもじゃないが、イラクに米軍がいる間についでにイランも攻撃するなんてことはありえないし、絶対にイラクから米軍は撤退する。また、アフガンも泥沼化したので、これも11年から撤退開始します。 あとは、ベトナム戦争の時と同様、後は自分でがんばりな、といって南ベトナム政権を突き放したのと同様に、イスラエルにも、同じセリフをいうのだろう。 但し、いきなりアメリカの後ろ盾がなくなるわけではないだろう。フェードアウトしていくから少しずつ関与を減らしていくということだろう。そのスピードはアメリカ(の懐)次第ということだが。まだ、イスラエルに対し、多大な武器支援を行うのは変わらない。(これも、いつまでなんだろう。。。) ただ、ここで一つ不思議なのは、今年は中間選挙の年である、ということ。なのに、こんなにユダヤのイスラエルに対し強気に出られるのは何で? 確かに、オバマ政権にはイスラエルと近い人は、エマニュエル補佐官くらいと言われていて、薄いのは事実。 また、あまりにイスラエルが強硬なので、アメリカ人の多くがイスラエルにこんなに肩入れしていいのか?という疑問が広がったから、オバマにとってイスラエルにより強気になれるという計算があるというのも、分かる。 けどさ、ユダヤ票という大票田を賭けるか?この中間選挙の年に? 確かに、オバマ政権2年目に来て、オバマの人気は過半数を割ったし、雇用も大きく上向いているわけじゃないから、民主党に不利との観測が広がっている。 表立って、オバマを批判するネタがないから、米メディアが雇用が思うように増えない、不況だ、不況だ、と騒いでいるのか? そして、あえて共和党が雇用保険適用期間の延長を拒否した。通常、選挙の年なら特に、あっさり合意できるはずの案件なのに、法案が成立しない、させてあげない。(表向きの理由は、あまりに財政赤字がひどいから) そうしたら、もっと国民はパニックになる。そして、オバマにもっと愛想を尽かすことになる。 ユダヤ側の、陰湿な逆襲か? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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