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テーマ:気になったニュース(30423)
カテゴリ:時事
今週の頭に、Wikileakに大量のアフガン資料が掲載された。
91000種類あるというから、全部読みこなすには時間がかかるし、えらい読みにくい文書のようである。 なので、報道に頼って何が書いてあるか?を見てみると、アフガンに派遣されている米軍の内部資料で、アフガンの内部闘争(タリバン、カルザイ政権内など)、パキスタン政府との係わり合い、など複雑怪奇な状態が報告されている、という。さらには、アフガン内部の親米派、協力者(インテリジェンスの提供者)が名指しで書いてあるとも言う。 けれど、ホワイトハウスなどワシントン側の資料はないというから、現状に不満な米軍内の誰かがリークした、と見ていいのだろう。 こういうリークというのは、自然にもれちゃう、という性質のものではなく、明らかに、誰かがある意図をもって行った行為である。(日本の自衛官が中国人のスパイと寝てイージス艦の情報を漏らしちゃうのとはわけが違う) なので、その意図は何か?を考えてみよう。 リークを決意するきっかけは、今の政策を変えたい、である。アフガンが複雑怪奇な状態であることを主張することによって、変えられる可能性があるのは、今のアフガン政策。 オバマのアフガンの基本政策は、今年に3万人増派して、来年には撤退開始である。そのために、現地では、カルザイやパキスタンは、タリバンとの手打ちに向かっている、一言で言えばレイムダック状態になっている。 当然こうした状況は、現地にいる米軍にすれば面白くない。盟友だと思っている人たちが、自分たちを殺そうとしている敵と裏でつながっているんだから。そして、盟友たちに現地情報をある程度頼っているのだから、いつはめられるのか、分かったものではない。 なので、来年撤退なんていうな、レイムダックになっちゃうじゃん!というのが、この間クビになった、マッククリスタルとその部下たちの本音であり、それがオバマなどワシントンにいる人たちと真っ向から対立する原因である。マッククリスタルの後釜に据えられたペトレイアス将軍は、イラク戦争で反乱を押さえ、イラクの米軍撤退の道筋をつけた人。同じ事をアフガンでもやってくれ、と据えられている人だから、短期間で撤退するには、タリバンの存続は容認し、カルザイやパキスタンも和解して、共存してやっていける状態にするしかない。つまり、レイムダック歓迎、という方針である。 とすれば、マッククリスタル派が、この資料をリークし、来年撤退なんて、ありえないから、といいたいのだろう。 そして、タイミングも、その意図が明らかだ。米議会で370億ドルの追加アフガン戦費了承法案を審議中で、夏休みに入る直前の今週、何とか通過したからだ。つまり、議会でも、今年の増派の予算をつけて来年撤退の方向に動くな、というメッセージである。 けど、そうするには、あまりに米経済は疲弊していて、アフガン戦争に対する支持が下がっている、ということに、マッククリスタル一派は気づいていない。そして、来週から夏休みに入る=中間選挙キャンペーン開始しか頭にない議員たちにマッククリスタル一派の意見は、受け入れられないだろう。 マッククリスタル一派の反乱はひとまず、失敗。けど、まだ何かやらかすんだろうな。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 30, 2010 01:03:37 PM
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