668653 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

我思う、ゆえに我あり

我思う、ゆえに我あり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Profile

yukie_yo

yukie_yo

Category

Calendar

September 2, 2010
XML
カテゴリ:時事
昨日、オバマが大統領執務室から、国民に米軍の戦闘部隊がイラク撤退を完了し、イラク戦争の終結を報告した。

ちゃんと、一国のリーダーが国民にちゃんと向き合って語りかけるというのはいいですね。日本なんかぶら下がり取材ばかりで、わけの分からない質問にばっかり答えているのより、よほどまし。

いろいろ、賛否両論ですが、この演説で「勝利」という言葉は使わなかったのが大きな特徴。

国民みんな、勝ったと誰も思っていないので、正直だね、という意見も見られました。(何でないんだ、と怒る人もいるけど)

今まで色んな形で犠牲を払ってきた米兵とその家族への感謝の意は、素直によかったと思います。

ちなみに、ブッシュよりも、オバマの方が真剣に米兵の痛みを受け止めているように思える。パフォーマンスだけだという見方もあるが、ブッシュが時折軍病院に三回もいったのに、全然治療にお金が回っていない、待遇は全然良くない、ということを、3回も見りゃ分かるだろうに、何も問題視されていなかったのを、メディアにすっぱ抜かれたのと違う。イラクから送られてきた米兵の遺体を受け入れるために夜中に米軍基地に行ったとか、演説の前に、帰ってきた米兵に15分だけでも、合って一人一人と握手してちょっと会話を交わしたとか。

ブッシュよりは、誠意を感じられる。

ちゃんと、米兵の負傷者には手厚い補償の予算をゲットしたからね、という誇示もあるが。

この演説には、特別目新しいものはない。戦闘部隊が帰国したところで、今のイラク政府に治安を維持する能力はないから、引き続き、米軍は研修を施すなどの名目で残るし、これからも死者数は出るだろう。

だから、これをもってイラク問題は、完全に終わり、というわけではない。

じゃ、何を言いたかったのか。

きっと、オバマ的には、「けじめ」をつけたかったのだろう。

もちろん、選挙運動中のイラクから米軍撤退、という公約を果たした、という誇示でもある。

けど、今までイラク戦争に割いてきたリソースはアフガン、国内経済再建に振り向ける、という。

あまり注目されていないけど、本当はここが最大のポイントだ。

このオバマ政権の任務を一言で表すなら、財政建て直し政権。

不幸にして、不景気だったので、政府支出を増やさないといけないから、分かりにくいが。

オバマ着任早々、経済刺激策が約8000億ドル支出せざるをえなかった。他にも、オバマのペットプロジェクトである、オバマケア(国民皆保険制度)を導入。

その一方で、非常に真っ当な予算削減に乗り出す。

即ち、イラク、アフガンからの撤退、軍事予算の膨張の抑制。

これをしないと、いくらカネがあっても、おいつかない。

そして、あまり目立たないが、アラブ諸国のオイルマネー確保。

911以降ブッシュ政権は、アラブ諸国に対し冷遇する。アラブからのビジネスマンなどがアメリカに行こうとしても、なかなかビザを出さないとか。

なおかつ、石油の値段が100ドルを越えるなどの、空前の高騰を背景に、アラブ諸国が一挙潤った。産油国の中でも、実は、国によって、ペイする価格は違う。サウジは約50ドルだというから、普段は赤字だったのか。なので、この高騰から全部超リッチになる。

その勢いに乗って、アラブ諸国は、SWF(いわゆる、政府系ファンド)を立ち上げ、世界中に投資物件を買いあさり始める。

で、今まではアメリカを中心に投資していたので、アメリカは、IMFなどを使って、SWFを取り締まれ!キャンペーンを打ち出す。(欧米系投機ファンドがアジアで暴れまわったときは、そんなキャンペーンはほとんどしなかったくせに、SWFは早速やっているところを見ると、欧米にカネをちゃんと回せ、というメッセージである)

けど、リーマンショック以降カネを持っているのは、アラブ系、中国系SWFばかり。シティグループに資金注入してくれて、やっと一息つける状態となったので、取り締まれ!キャンペーンなどどこかに、すっ飛んだ。(そんなことをして、SWFににらまれて、欧米にカネが来なくなったら、元も子もない)

そんな状態だから、アメリカにオイルマネー流入を確保せねばならない、という課題を抱えて、就任1年目にして早速中東(エジプト)と中国に飛んでいった。最大の目的は、アメリカはアラブ、イスラムを敵視していません、というメッセージを広く宣伝するため。

強気なオバマは、さらにその誠意を表すべく、歴代政権が下手をすれば大やけどする案件、イスラエル・パレスチナ問題に就任早々手を出した。

この問題が、一番アラブをアメリカから遠ざけるものだから。今週にも、ワシントンで両者のリーダーが会談する予定。

こうしてみると、オバマって、問題を真正面に受け止めるというか、正面を強行突破したがる傾向が見られる。

目下かなり裏目に出ているが。

そして、これからもう一つの賭けの結果を注視しなければなるまい。

それは、米兵の帰国だ。経済的に考えるなら、未就労の労働力の増加。数字的には多少上向き始めた米経済。労働力の増加を以てさらなる経済の拡大が図れるか(いわゆるクラウディングアウト効果の解消だ)、はたまた単なる失業者の人数を増やすにとどまり、失業率をさらにあげるか。

今度こそ裏目に出ないといいんだが。。。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  September 2, 2010 02:23:23 PM
コメント(0) | コメントを書く
[時事] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.