テーマ:ロマンス小説 読書日記(461)
カテゴリ:読後感想
愛を忘れない*ルース・ウインド*シルエットスペシャルエディション N735 あらすじ ラモン―――ターニャは迎えに来ているはずの彼を目で捜した。 ニューメキシコ州、マンサナレスのバス・ターミナル。 ラモンには、十五年前、私の結婚式の披露宴で会ったきりだ。 あのころ彼は、ひどくやせて眼鏡をかけた、まじめな大学生だった。 今ではもう、三十代半ばぐらいのはず。 ターニャはバスの窓から、それらしい男性を見つけて胸がざわめいた。 あれが、ほんとに私が昔、披露宴で一緒にダンスをした人? ターニャは信じられない思いで、目をこらした。 やっぱりそうだ。彼に間違いない。 眼鏡はもうかけていないけれど、一目で夫のビクターのいとこだとわかる。 漆黒の髪に、まっすぐとおった鼻筋、高い頬骨…。 ラスト・チャンス農場のリーダーで、私の息子、アントニオの養父。 私は、息子との十一年間の空白を埋めるために、彼のもとにやってきた。 農場で働く料理人として、息子には母親とは告げずに。 すべては、ビクターとの結婚後に起こった悲劇のせいだった。 私が、たび重なる夫の暴力に追いつめられ、彼を銃で射殺してしまったことの…。 独断と偏見 なかなか この作者の書く物語は 地味なんですが胸にジーンと来るものがございます。 今でこそDV(ドメスティックバイオレンス)と呼ばれる 夫からの暴力、ヒロインはそれに耐えかねて 罪を犯してしまう・・・ そんな彼女が出所したところから始まるストーリーなんですが ええ、ヒーロー&ヒロインのもどかしい恋愛もさることながら ヒロインの息子のトニオがすごくいいんです! 暴力的な実父の血を受け継いだにもかかわらず 忍耐強く優しい養父であるヒーローの性質をしっかり受け継いで 「こりゃぁ、立派なヒーロー予備軍よね」 と思わずつばをつけてしまいましたことよ! ストーリーはほぼヒロインが息子に会いたい一心の思いを中心に そこへヒーローとの恋愛感情が絡み合うと言うもので さすがエディションページ数が結構あるので 話し自体もしっかりと出来上がっていて読ませてくれます。 幼くして結婚出産といたったヒロイン その結婚式でヒロインと踊って恋心を芽生えさせたヒーロー そしてその二人に何かを感じたヒロインの元夫(ヒーローの従兄弟) ・・・しかし、そのためにヒーロー&ヒロインは顔の骨を折るほど ヒロインの元夫に暴力を受けたんですとっ! やりすぎだよあんた!!と思わず突っ込んでしまいましたわよ。 ヒロインが息子に宛てた出されなかった手紙が 節目節目でさし込まれてるんですが これがもうねぇ・・・涙を誘うんですよ これを読んでさえいたらトニオも変な誤解はしなかっただろうに! と、読んでるワタクシはちょっとウルル・・・ ラスト近くの店の奥から探してもらったという 「母の日のカード」のくだりでは ちょっと、かなり涙腺をやられてしまいましたわよ。 最近のテンポのよいロマンスも楽しいけれど こういうヒューマンドラマ的な古い作品も 何か光るものを感じますわ~~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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