終焉

その終わりは刻一刻と迫っていた…



最期を目の前にして皆、一回の大当たりに一喜一憂した…

隣同士喜び合う者…




連荘を願う者…



鍵穴から念力を送り込む者…




勝ち負けなど関係なく
　　玉に祈りを込めて弾く者…


そしてそれに応える名機達…


願いは必ず通じる…
　　　信じ抜いた者にだけ許される
　　　　　確率などに支配されない瞬間…



そして願いは叶う…


しかし無情にも…

　　　ついに別れの時…


２６年間の歴史に…

　　　幕が落とされる瞬間が訪れた…
　　　　　
　　長年にわたり店を守り続けた男の手によって




そして・・・

大当たり中の『麻雀物語』のアタッカーが閉じれば

　　　　その全てに幕が落とされる…

　　　　　　　その最後を見届けようと皆の目線は

　液晶画面へ注がれた・・・




奇跡は起った…



その後も当りが止まらない…
　　　止まった時の結末を知っているかのように…
　　　　その台は当たり続けた…


　　
目の前で起る奇跡に皆、喝采を惜しみなく送った…




そしてこの当りが皮肉にも

　この日最高の５連チャンとなり
　
　　　　静かにその幕は落とされた・・・




今まで店を守り続けた店長さんへ労いの言葉をかけようと


　　　　　店が終わっても誰一人として帰る者はおらず…


その各々が店長さん…そして白鳥との別れを惜しんだ






そして幕が落とされ…



　　　　その明かりは静かに消された…





その後集まった仲間達で

　　　　　　　楽しい酒を酌み交わし

　　　　　　　　　　　　朝方まで呑み語り続けた・・


　　　　　　　　　　




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