選挙ラッシュである。特にきょうは全国二十六市の市長選が投開票される。「平成の大合併」の締めくくりである。加えて国政では衆院千葉7区補選も。まさに選挙サンデーだ▲中国地方でも三市長選がある。一市七町村が合併した新・岩国市、任期満了の東広島市、旧市町村合併特例法下最後に発足した浅口市の三市だ。中でも注目度が高いのは新・岩国市長選だろう▲米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転案をめぐる対応が最大の争点。立候補者は国との現実的な協議を唱える会社社長、移転案の白紙撤回を求める元市長、移転案に反対し基地縮小・撤去を主張する出版社社長。三者三様だ。移転の是非を問う三月の住民投票に参加しなかった旧玖珂郡の新市民の判断も興味深い▲自民系新人同士が激しく争った東広島市長選。父親が自民党幹部の元議員秘書には、党幹部ら国会議員の応援が相次ぎ、国政選挙を思わせた。一方、元県議は「地元出身」を強調。議員時代の支援者を頼りにした草の根の運動を繰り広げた。少なくともはた目には対照的な選挙戦と見えたのだが▲一方で千葉7区補選。小泉純一郎首相にとって事実上、最後の国政選挙。民主党代表として小沢一郎氏は初陣になる。何かと縁のある「小・小対決」。こちらは両陣営とも総力戦の様相で、候補者がかすむほどと伝えられる▲それぞれの地方がそれぞれの難問を抱える今日。有権者が指をくわえて見ていることはない。
'06/4/23 中国新聞 天風禄より