昨日の事を書いておくよ。
母さんからメールが来た。
あたしより絵文字を使いこなす母。
色々荷物を送ったって。
それが日曜の午前中に届くようにしてあるって。
家族の誕生日会の予定がいつになったとか。
そして最後に。
「今晩は七夕します。
たんざくへの願い事ありましたら
21時頃まで受け付けます」
って、書いてあった。
うちは年中行事大好き一家。
七月七日は忙しくて七夕が出来なかった。
だから、旧暦(といっても怪しいものだけど)の七夕に、
笹を用意して短冊や飾りを作ってケーキも何故か焼いて、
わいわいがやがや七夕をする。
願い事受け付けます。
その一言がなんだか希望に満ちていた。
願い事なんて言葉、久しく聞かなかった。
夜の九時までに母さんに伝えた願い事は、
根拠も何もないけれど、
無条件に全て叶うような気がした。
それが当たり前な気までしていた。
ねえ、願い事ある?
周りの友だちに訊いて廻った。
願い事、という浮き世離れした子供じみた言葉は、
みんなをびっくりさせたあとで、
顔を少しずつ優しくさせた。
母さんに電話をした。
さっそく、あたしのも友だちのもひっくるめて、
いくつもの願い事を電話の向こうに伝えた。
笑いながら、急いでメモしている姿が見えるようだった。
一通りの願い事を伝え終わった後で、
代筆承りました。
母さんがかしこまった声で言った。
ありがとう。
きっと叶う。
きっと叶える。
願い事はありますか?
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