さっきから何回もひとりで、
「がんばるぞ」と小さな声でいっているから、
きっとあたしはがんばらなくてはいけないのだ。
「がんばるぞ」と思っているから声に出すけど、
遠慮がちなちっちゃい声は蚊の泣くようで、
いざ耳に届くと余計に心もとない。
が、しかし、がんばるぞ。
そっか、でっかい声で試しに言ってみれば良いのか。
…一人の部屋で言ってみたら、周りが余計静かになった気がする。
いや、それでもあたしはかっこよく仕事をこなすのだ。
いや、かっこよくなくても締め切りまでにこなすのだ!
そんな、がんばっているあたしのために、
今日はいいことだけ書くことにした。
ラジオで番組を持たせてもらえることになった。
初めて書いた原稿をむちゃくちゃほめてもらった。
翻訳して出版した本が年内にも増刷の運びとなった。
いいことだけ書いた。
ら、仕事のことだけだった。
でもめげないぞ。
泣いてたってへこんでたって、
後ろ向きに変に勘ぐっちゃってたって、
締め切りは待ってくれないのだ。
大人の世界はそうなのだ。
リポビタンDも2本買ったし、
煙草も2箱買ったし、
チョコレートもあるし、
あたしは最強装備だ。
だから大丈夫だ。
大人なのだ。
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