朝、歯科にて噛み合わせの再チェックを行う。
駅ビル一階の「石垣書店」は、私の大好きな本屋だ。
誰か本好きな人の部屋に間違って入ってしまったみたいに
ぐちゃぐちゃなのである。同じ本が別の棚にもう一冊あったり、
棚に入りきらない分は床に積み上げてあったりする。
持ってくるのを我慢したのが弾けて、私は本を漁り、
結局5冊ほどの文庫と一冊の雑誌を買ってしまった。
あとはフェラーリのフィギュア雑誌。
伯母がシリーズで集めているのだが、彼女は一巻を持っていなかった。
ここにそれがあったので、荷物にはなるが買ってしまった。
後にこの「フェラーリ/一巻」は、伯母の集めているのとは
別シリーズだったことが判明する。この後、10時間ほどしてから。
貝殻の形をした飴玉「浜こいし」と、
三木製菓の「ポンチロメン」も買っておく。
のち、坂の途中のいつものラーメン店に寄る。
モンブランというケーキ屋が開いていたので、
昨日は売り切れていたレモンパイをホールで買う。
そして私は栗のモンブランを、母はサバランを店内で食べる。
ちなみにこの店のモンブランは、栗のモンブランではない。
母の食べているサバランに「モンブラン」という名が付き、
私が食べた所謂「モンブラン」には「アラミス」だとかなんとかいう名が付いている。
原語の意味を考えれば、白い粉砂糖をてっぺんに振りかけたサバランが
「モンブラン」でおかしくはないのだが、なんともいえない違和感である。
チェック。
熱海のケーキ屋「モンブラン」の「モンブラン」は「モンブラン」ではない。
このケーキ屋は、海岸通りのファミリーマートの辺りの坂道のどこかにある。
ケーキやら本やら家族用の駅弁やら。
大量かつデリケートな荷物を抱えて一旦ねぐらに戻り、
最後の荷造りをする。帰りは名古屋駅乗り換えである。
新幹線の来るのを待つ間に、私は土産を買った。
いつもお菓子をくれる教え子の母には、のし梅を。
受験を控えた女子高生には、可愛らしく包まれた葛湯を。
そうして乗り込んだ。
名古屋で降りるときに、前の座席の背中にある網ポケットに本を忘れてきた。
今までに犯したことのない大失態である。
久々の、満足ゆく読書の余韻に浸ってうっとりしていた結末がこれでは
どうにも話に成らない。サマセット・モームは「雨」を抱えて、
時速300キロメートルで私から離れて行った。
誰かが読んでくれたらいい、と願っている。
さよなら、モーム。
ただいま、この町。
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Last updated
2008/11/13 12:53:54 AM
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