1920年代に書かれた、フランスの作家レリスによる
『夜なき夜、昼なき昼』がネットの古本屋から届いた。
さっそく封を開けて、紙箱の匂いを嗅いで、
それから本を出して開いて、紙とインクの匂いを嗅ぐ。
古い。
これはかなり古い。
この本は、彼の見た夢を綴ったもの。
自らも語彙集を出すなど言葉への執着がかなりあった彼の作品は、
(フランス語が残念な私には分からないが)和訳が困難なのだそう。
中でもこの本は翻訳しやすかったのか
それとも翻訳者がすごく頑張ったのか
幸いなことに和訳で出ている。
もう絶版だし、近くの図書館にもないけど。
簡潔明瞭なぱきぱきした語り口で、
夢ならではの矛盾を手際よく描写していく。
目が醒めてからの余計な分析や感傷が混じっていないのがいい。
サルトルやバタイユとも活動をともにした時期があるというレリス。
思えば精神的にかなり偏った交友関係である。
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Last updated
2009/06/01 04:19:43 PM
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