神話と身体 連続投稿7日目 ファイト!
(今日は少し番外編です)子供の頃、布団を押し入れに片づけるのが僕の仕事でした。でもそんなの、毎日のことなのでめんどくさい訳です。で、ある日「どうせ夜になったらまた敷くのに片づけなくていいやん」と屁理屈をこねて、母にたてついていました。その時どういう風に母が答えたのかは忘れましたが、とにかく、えらい怒られて、ぶーぶー文句言いながら布団を片づけさせられた記憶があります。そのままでいい と 頑張りなさい の対立(笑)この世界のあらゆるものは そのままでいくとバラバラに、ぐちゃぐちゃになります。秩序あるものは混沌へ、熱力学的平衡へと向かうというエントロピー増大の法則は、この宇宙の森羅万象が抗えない法則といわれています。 形あるものはやがて崩れ去り、朽ち果てていく、その方向性は、東洋哲学で陰とよばれる静けさ帯びた力です。誰しもが死から抗えないように、僕たちも、この山や海や、社会や、この星や、万物の全ての深層を流れる大きなうねりです。けれど、この世界にはその流れに逆らって、秩序を作ろうとする力も存在します。「生きよう」「ワタシを形作ろう=我を張る=頑張ろう」とするエナジー。東洋哲学で陽と呼ばれる熱を帯びた力です。そして、そこには時間の制約があります。この宇宙が閉鎖系である限り、森羅万象が混沌へ向かう流れには誰も抗えないけど、ほんの刹那であれば、流れに逆らうことが出来る。有限の時間の中で 頑張る。川の流れを必死で遡り、うろこをキラキラさせる魚のように。生命とは、そんな風にふたつの力のせめぎ合いで、生まれた波のようなものです。イリアプリコジンが散逸構造と名づけ、福岡伸一氏が動的平衡と呼び、宮沢賢治が明滅する交流電燈の青い照明と表現したせめぎ合い。だからこそ、生命には その二つの力(矛盾)が内包されているのです。そのままでいい と 頑張れ無限の時間を有する魂 と 有限の肉体次回に続きます。・・・・・・・・・・・・・・・・・(これまでの流れ)1.神話は荒唐無稽な話ではなく、そこには意味がある(レヴィストロース・ユング・ミンデル) 2.一つが→分かれて→またひとつに繋がるストーリが癒し(アナ雪のモチーフ)3.ドラゴンとは相反する2つが合わさったもの (ジョセフキャンベル)4.矛盾を併せ持つことで螺旋を描きドラゴンのように高い次元に昇る(ヘーゲル・ゲーテ・タオ哲学)5.相反するものをつなぐためには仲介者が必要(アナ雪のオラフ)6.仲介者は自らの中に矛盾を内包している必要がある (バイセクシャル・界面活性剤)7.仲介者は内包する矛盾を受入れ、赦している必要がある(シャーマン・救世主・ファシリテーター)8.交感神経と副交感神経 熱いハートと冷静なハラの仲介者こそが呼吸・横隔膜9.カナダの神話に登場するガンギエイは南風の制圧者である(レヴィストロース)・第1話 神話とドラゴン そしてガンギエイ・第2話 アナと雪の女王 夏と冬をつなぐもの・第3話 再びつながること・癒すこと・第4話 鏡の中の世界と仲介するもの・第5話 前半の総集編・第6話 風を制するもの・ガンギエイ・第7話 ファイト!● 公式HP Body curiosity● セラピスト向け解剖学セミナー/WS スケジュール● ヨガ向け解剖学セミナー/WS スケジュール● izuyoga クラス スケジュール● 無料メルマガ登録 のみ友通信● 著書 「感じてわかる!セラピストのための解剖生理」↓ 楽天ブックスリンクです