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2020.10.29
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カテゴリ:舞台
天才とは1%のひらめきと99%の努力である。

スポーツや芸術にとどまらず、各種の分野において、天才と評される人たちがいる。
何もしないで結果を出してしまうように思いがちだが、実際は努力と費やした時間の結果だ。
とかく外側に立っていると、当事者の努力を知らずに、天才というものに憧れる。

ぼくも天才になりたかった一人だ。
初めてサッカーボールを蹴ったとき、「天才あらわる」と、コーチたちに騒ぎ出して欲しかった。
初めて舞台に立ったときは「君は天才だ」と演出家に涙を流して言って欲しかった。
甘い期待は、残念ながら現実がこっぱみじんに砕いてくれた。

若い頃は、努力というと汗臭く、そして泥臭くて、不格好なイメージを持っていた。
才能はというと。
爽やかに、涼しい顔でこなしてしまうイメージだ。

だから努力は才能には勝てない。
そう思い込んでいた。
しかしそんなことはない。結果を出している人はみんな、努力をしている。
努力がカッコ悪いと思っていた自分に反省である。

自粛期間中、家にいる時間が増えたので筋トレを始めた。
なかなか元に戻らない下っ腹をへこませるためだ。

おこなっているトレーニングは、筋トレしてからマラソン、というメニューだ。
しかしそれだけでは、40過ぎた体には不十分だったので、食事制限も開始した。
朝と昼はしっかりと食べて、夜は炭水化物を食べない。
そして野菜中心に食事をとる。

それから、脂質と糖質も気にするようになった。買い物をするときには、商品の裏側をチェックすることもしている。
体重計を買い、毎日チェックも怠らない。

すぐできたみたいに書いてはいるが、その実、何度も失敗している。
失敗してはもう一度チャレンジして。何度も繰り返し、ようやく運動も食事制限も習慣化してきたところだ。

結果はというと、Tシャツを着てもお腹のふくらみが気にならない程度にはなった。
体重は2キロ落ちた。
めざましく体型が変化したわけではない。筋肉もちょっとできたくらいだ。
まだまだ理想の体型とまではいかないが、それでも十分満足していた。
つい先日までは。

先日というのは、自粛期間があってから会えていなかった大学の先輩たちと、半年ぶりに飲みにいったときのことだ。
お互いの近況を語りつくし、宴も終盤にさしかかったとき、向かいに座る先輩が不意を突いて無造作に言葉を投げてきた。

「痩せたよね?」
確信半分、確認半分。

むけられた言葉の先にいたのは、ぼくではなかった。
隣に座るもう一人の先輩だった。

「そうだね。痩せたね」
当たり前のように答える隣の先輩。

周りに気づかれないように、ぼくは両手で肘をぎゅっとつかみながら聞いた。
「何かトレーニングとかしてるんですか?」

「トレーニングじゃないけど、1日に5個食べていた菓子パンを2個にしたからかな」

はぁ?

「食べるのガマンして、菓子パンを2個にしたから痩せたと思うんだよね」

・・・ガマン?
先輩。
それ。
そのドヤ顔しながら指で鼻の頭をかくの、やめてもらっていいですか?

先輩。
ぼ・く・は、40分筋トレしたあと、8キロ走ってます。
メッチャしんどいです。
それで半年かけて2キロおとしました。

それから、19時までに夕飯をすませるように心がけています。夜は炭水化物を食べてません。
だけど下っ腹はしぶとく生き残っています。
先輩もそうですよね?
ねえ!?そうですよねえっ!!!?

炭水化物の代わりにお腹がふくれるものをと思って、切り干し大根を買っています。
一人暮らしの男が切り干し大根買って作っているとか、気持ち悪いのも承知ですけど、それがなにか?

わかっています。
ええ、ええ、わかってますよ!
努力してますなんて、言えば言うほどカッコ悪いことだって!
わかってますから!

先輩。帰る電車が別で良かったですね。
今日だけは一緒に帰りたくありませんでしたから。

嗚呼、菓子パン食べるのを3つ。たった3つ少なくしただけの人に負けたという現実を受け入れられません。
才能とか努力とか関係ないって人がいる事実。
かんばっている人の横を、ピョ~ンっと軽く飛び越えていく人がニクい。

こっちが、ちょっとずつちょっとずつ整備している道を、あとからきたトラクターで無造作に駆け抜けていくみたいだ。
そして整備した道を荒らしてしまう。
そしてそして、そんな奴に文句を言っても勝てないんだ・・・。
悔しいけど。

・・そう。菓子パン3つに負ける人生だ。
昔だったら学校で。
今だと職場で。

この自粛期間中に、職場の後輩が20キロのダイエットに成功した。そして職場の人たちから称賛を浴びている。
「スゴいね」「頑張ったね」「見違えてみえるよ」

昨年、私が2キロ、体重が増えたときには、「太ったね」と、容赦なく言葉を浴びせてくれた職場の人たちは、元に戻った体重を見ても、「頑張ったね」と誉めてはくれない。
とうぜん「見違えてみえるよ」なんて言葉は、あさっての方向でホコリをかぶって忘れ去られている。

ダサいの承知。
悪いのも承知。
大人げない?
かまいません。
言わせていただきます。
110キロから90キロに落としたのが誉められるのなら、こっちだって110キロになりたいわッ!

「太ったね」と言うのなら、痩せたときには責任を持って「痩せたね」と言うのが人情というものではありませんか?

いえ、人情というのなら。
「痩せたね」と言われた人は、ウソでもメチャクチャ努力してるってことにしませんか?
菓子パン減らしただけって・・・。
それってガマンなの?

才能ってことにしといたほうが、楽だったきがするが、仕方ない。
悲しいけど、、ぼくはきっと、菓子パン3つ減らしただけで痩せる人には勝てない人生なのだ。
そう割りきって生きていくしかない。


だけどもし。
もしも何かの間違いで。
空から豚が降ってくるくらいの間違いで、「頑張ってるね」と誰かに言われたそのときは。
「菓子パン5個食べてたのを4っつにしたんですよ」
と言ってやりたい。





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Last updated  2020.10.29 21:58:55
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