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テーマ:最近観た映画。(40100)
カテゴリ:映画
明け方、目が覚める。
腹部にズド~ンとした痛みが……。 体を二つに折り曲げて(痛くて背筋を伸ばせないのです)、トイレに駆け込んでも治らない。 布団に戻っても、あいかわらずまだ痛い。 「もしかして救急車を呼ばねばならないのかっ?」 と思い、ダンナに「お腹が痛い……」と訴える。 寝ぼけ眼でダンナは、 「また赤子が大きくなってるんじゃないのか?」 と答える。 この「赤子が大きくなる」というのは何かと申しますと、妊娠初期の 二ケ月ごろ、私はよくこういう腹痛を感じてたんです。 産婦人科に行ったのも、妊娠検査役が陽性になったからでも、 生理が止まったからでもなく、腹痛を幾度も感じていたからでした。 それをお医者さんに話したら、「妊娠かもしれませんね」って言われて、 本当に妊娠だったんです。 なぜ腹痛が起きるかという理由を、私とダンナが二人で考えたところ、 赤ちゃんがお腹の中で大きくなるために領土拡大していて、その刺激が腹に痛みとして伝わるのではないか という結論に達しました(医学的根拠はまったくありませんが)。 それが今、また起こったということは、赤子がより成長を遂げようとしているのではないだろうかと。 だって一ヶ月で二倍近く大きくなっちゃうんだもんね。 また大きくなっても不思議はあるまい。 ダンナにそう言われると、なんとなくほっとしてその後眠ることができました。 あいかわらず引きこもり妊婦生活、続いてます。 外は寒波なので、外出する気になれません。 そこで、先日借りてきたレンタルビデオで映画を観ました。 タイトルは「モンスター」。 主人公・アイリーンは貧しくすさんだ家庭に生まれ、13歳のころから 体を売って生計を立てることを余儀なくされます。 そんな生活に嫌気がさして自殺をはかろうとした彼女は、ふらりと立ち寄ったバーでレズビアンの少女・セルビーと知り合います。 自分になついてくれるセルビーに、生まれて初めて人の優しさを見ることができたアイリーンは娼婦をやめて、まっとうな職業につこうとするのですが……。 正直、この映画をレンタルで借りるかどうかかなり迷いました。 観た人ほとんどすべてが「いい映画だけれど、あまりにも救いがなさすぎる」といった評価を下しているからです。 でも以前から観たかった作品だし……と思ってレンタルしました。 ファーストシーンで登場する幼少期のアイリーンは、どこにでもいる 夢見がちな少女です。 「学校で教わった通り、信じて努力すればどんな夢でも叶うと思った。 人生で大切なことは愛と自分を信じることだと思っていた」 そんなアイリーンは、生活環境の劣悪さから、娼婦への道をたどることになります。あどけない笑顔で客に媚びるアイリーン。 「アメリカンドリームを信じていた私は、マリリン・モンローになれるのだと思っていた。客の誰かが私のすばらしさを認めて、違う世界に連れて行ってくれるのだと思っていた」 現在、本屋に行けば山ほど自己啓蒙本が売られています。 そこに書かれていることは、アイリーンの信じていることとほぼ同じです。 「努力すれば必ず道は開ける」 「夢は必ずかなう」 こんな言葉を鵜呑みにしたアイリーンを、誰が笑うことができるでしょうか。 8歳でレイプされた彼女は、そんな夢を信じていなければとっくに自殺していたでしょう。 アイリーンを嫌うセルビーの叔母は言います。 「この世の中には生まれながらの落伍者がいるのよ。あの人たちはいつだって間違った道を選ぶの」 でも、誰がアイリーンに正しい道を教えてくれたでしょうか。 親からも棄てられ、学校にもロクに通うことができなかったアイリーンに。 現在、日本は児童虐待が横行しています。 また貧富の差が拡大しているといいます。 これからの日本はアイリーンのような境遇の人間が増えるのではないか、 と思いました。 クライマックスで、アイリーンはようやくセルビー以外の人間の善意に触れることができます。 「どんな問題でも解決できるよ。君に手を貸そう」 そう手をさしのべた人物に対してアイリーンは……。 このシーンで、私は泣きそうになってしまいました。 観た後、ずしりと胸に来る映画でした。 精神的に余裕がある時の鑑賞をおすすめします。 モンスター <通常版> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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