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2004年09月06日
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カテゴリ:ざっかん

 凛と咲く青い桔梗は、秋に見る野花の中でも とりわけ好きなものだ。 

 安房直子さんの絵本に、「きつねの窓」 という作品がある。

 小学校の国語の教科書に使われていたこともあるお話だから、既に

 ご存知の方も多いだろう。

 そのお話の中の桔梗の花は、懐かしさと切なさの象徴のような色で

 描かれている。




 大まかなあらすじとしては、




    ある日、獲物の仔ギツネを追いかけて 森で迷った猟師の “僕” は、

    一面の桔梗野原で奇妙な染物屋に出遭う。

    その店の主は本当は仔ギツネなのだが、人間の男の子の姿をして

    「何でもお染めいたします。お指でも」 と不思議なことを言うのだ。

    仔キツネが自分の指を桔梗で染め、指先で窓を作ると、その中には、

    もう死んでしまったらしい、母ギツネの姿が浮かぶ。

    それを見た “僕” は、さっそく桔梗の花で両手の指を染めてもらい、

    男の子 (仔ギツネ) と同じように、青い指でちいさな窓を作る。

    するとそこには、今ではもう 「大人」 になってしまった “僕” の、
   
    忘れられない人、懐かしい情景が、次々と浮かんでくるのだった・・・。





 遠く失われて行ったもの・・・ 

 もう二度とは会えない人・・・

 そんなものと、再び

 めぐり逢うことが出来たら?




 
 それは、とてもとても 幸福で。

 だけど、おなじくらい 残酷で。








  つづく






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最終更新日  2004年09月07日 02時50分16秒
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