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波と戯れるように  風に揺れるように

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2013年09月23日
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テーマ:寂寞の中で(1008)
「僕と結婚して下さい」

僕はありったけの勇気を振り絞って彼女に僕の気持ちを伝えた。

「ありえない」

そう彼女は呟いた。
彼女がそう思うのは当たり前のことかもしれない、でも僕は怯まない。
そう決めたんだから。
僕は彼女の為に今まで一生懸命に生きて来た。
彼女にふさわしい男になるために。

「あのね、無理な事を言わないで」

彼女は僕がふざけて言っているのだと思ったのだろう

「よーく 頭を冷やして考えて」

僕と彼女が初めて出会ったのは何時の頃だったんだろう。
僕は初めて彼女を見てから彼女の事が頭から離れなくなり、毎日毎日彼女の笑顔を観たくて通ったんだ。
毎日、彼女は最高の笑顔で僕を迎えてくれた。
僕と一緒に歌い踊り、ゲームもした。僕は彼女の声が大好きで、ずうっと聞いていたい程だった。
でも、僕がいけない事をした時は思いっきり叱ってくれたね。
優しさと厳しさが僕を引きつけて止まなかった

「全く 何を考えているの」

僕はあの時に一度プロポーズしたよね、覚えているかい。僕はあの時僕の両親にも正座して話したんだ。僕は結婚したい人がいますと。
両親は驚いていたけど笑って許してくれた、何時かその時が来るかもねって。
その時が来たんだよ。僕にやっとプロポーズ出来るその時がやって来たんだ。

「そんな無理難題な事を言わないで」

いや 僕の初恋のあなたに結婚を申し込もうとこのつつじの木に誓ったんだ。
このつつじの木の前であなたに・・・

「待って 初恋って それって」

そうだよ 僕の初恋の人。それは幼稚園の先生、あなたです。

「ちょっと 一体幾つ歳が離れていると・・」

分かっています、でも、僕はあの時、あなたが泣いている僕をぎゅっと抱きしめてくれた時に決めたんだ。
もう、僕は18歳になりました、結婚出来る年齢です。

「は?? 私は49歳。無理、しかも、貴方よりも年上の子供がいるのよ」

僕は彼女の事ばかり考えて生きて来た。
彼女は歳を取らないと・・・
僕の記憶の中の彼女はいつでも若くて綺麗で・・・
僕は肌身離さず持っていたあの頃の写真を見ながら

えええええええええええええええええええええええええ

49歳!!!!!

そっかぁ 彼女も歳を重ねるんだ。
僕は幻想を見ていたのか・・・
はっ 目の前の彼女はホウレイ線がくっきりと、目尻にもシワが、
いや、そんな事はどうでも・・
良い訳が無いだろう!!

僕の初恋は・・初恋は・・・




つつじの花ことば

初恋
愛の喜び
情熱


花 つつじ.png





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最終更新日  2013年09月23日 06時27分46秒
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