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2024年04月14日
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同名のアニメの影響で原作小説を購入したところ、どっぷりハマりました!

N大学工学部建築学科のゼミの合宿で、妃真加島(ひまかじま)のキャンプ場にやってきたN大学助教授の犀川先生と西之園萌絵たち。その島には天才科学者で天才プログラマーの真賀田四季が何年もこもっている真賀田研究所があった。そもそもこのキャンプは、日本で実在する唯一の天才と言われた科学者で、誰にも会わないことで有名な真賀田博士の研究所を見学するための口実づくりに西之園萌絵が計画したものだった。一日目の夜の夕食の時間を見計らってキャンプを抜け出して研究所に入った犀川と萌絵の二人は、研究所独自の確立された便利なシステムに驚愕する。まず、研究所には電話はなく、パソコンのなかのソフトを使っていた。研究所は研究員ごとに個別の部屋を与え、作業は個別で行い、パソコンの通話機能を利用して打ち合わせを行う。研究員たちがそれぞれ実際に対面することはほとんどないそうである。当の真賀田四季博士も、通話のみで実際の姿を見た人は誰もいないという。そこには人間同士の摩擦や軋轢が一切ない、未来の理想的な職場に思われた。関心していた二人だったが、突如として事件に巻き込まれる。なんと真賀田四季博士が切断された無残な姿で発見されたのだ…!島は完全な密室となり、極限状態での犯人捜しが始まる…!

さて、皆さんもいろいろな感想があったと思いますが、私がこれを読んで真っ先に感じたのは犯人への怒りでしたね……!!なんというか本当にわがまま……!!やったことの残虐性もさることながら、動機が身勝手すぎましたね……!こういう犯罪は許してはいけないと思いましたね。

真賀田四季博士については、この人はなんというか、天才だからこその特殊な考え方や頭の使い方が凄くて、まずはそこに圧倒されましたね。この人はいろんな人格を持っていて、4色ボールペンのように人格を切り替えることでなりたい自分になり、超人的な能力を発揮します。プログラマーのときは男性の人格になっていますし、女性的な手仕事をするときは須磨という助手の女性の人格になっています。普通の人間は理想や憧れの人間がでてきたら、その人のいいところだけ取り入れて、自分自身の人格にペタっと貼り付けるイメージですが、この人は他人の思考回路ごと盗んでしまって、それを別人格として取り込むことができるのです。なので、妖怪のような常軌を逸した会話になってしまうこともしばしばあります。しかし、本来の四季博士の女性的で穏やかな人格は魅力があり、仕事もできるから許されているような感じでした。四季博士は複数の人格を使い分けながら、6才で大学に行き、天才美少女プログラマーという肩書を欲しいままにしました。しかし、14歳のときに両親をナイフで刺し、逮捕されましたが心神喪失で無罪になり、真賀田研究所で暮らすこととなったのです。四季博士が両親を刺した理由は、公にはわかっていません。小説内でもはっきりとは言及されていません。なので、そこは読者の観察力の見せ所となってくると思います。私としては、この事件の動機は簡単に言えば四季博士の癇癪だったのかなと思いました。14歳のときに彼女はある失態を犯しました。その事実を両親に告げたとき、彼女は父親に殴られたのです。彼女は殴られた意味がわからなかったのです。彼女は多重人格だったからこそ、複数の肩書や称号を持って生きていきたかったのではないでしょうか?父親が躊躇なく彼女を殴ったのは、その失態により、もう「少女」でも「子ども」でもなくなったと判断したからです。天才少女ではなくなり、父親からは新しい称号と、それに伴う責任を与えられたのです。しかし、彼女の第一人格はあどけない少女のままだったのです。そこが彼女を切れさせてしまったのです。彼女に対して、そのような判断をした両親を抹消したくなったのです。それで彼女は一人の人間が持てる肩書は一つだけしかないことを学び、新しい肩書をなかったことにしました。この事件が、その後の彼女の生き方を劇的に変えました。彼女は人前に姿を現さなくなりました。それには彼女の見てもらいたいイメージのまま、相手に自分をイメージしてもらう、というセルフプロデュースの一環でもあったと思います。彼女の人格は実際は5個くらいありましたが、多くの人に認知されたいキャラは第一人格である天才美少女プログラマーだったということです。彼女のこのプロデュース計画により、ある人が犠牲になりました。やはりこのへんがこの小説の肝なのかなとは思いましたね。4月の頭に、一方の枝には桜が咲いていて、もう一方の枝には桜を咲かさずにいきなり葉っぱを生やしている桜の木を見ました。四季博士もその桜のように生きたかったのかもしれません。しかし人間社会ではそれは許されないことだったのです。

四季博士のおかしな思想はまだあります。それは死ぬことが自由へのイニシエーションだという思想です。宇宙的に考えると生命が生きている状態そのものが異常なので、死なせて自由にしてあげることが愛なんだとか。身体が破壊されて精神が飛び出した状態が自由だなんて、そんなのはゲームの世界だけにして欲しいですよね?この思想は、彼女の身体と精神がミスマッチで、常に生活に不自由していたことから生み出された思想なので、人類全般にあてはめないで欲しいなと思いました。一生ゲームしてろよと思いました。

四季博士は、「私は敗北を知りません」といっていましたが、新藤所長の奥さんには一生負け続けているので、本当にしょうもないなと思いました。結局のところ、この小説では頭の良い利己主義の人は献身的で他人のために行動する人をコントロールすることはできないということが暗に語られています。「この事件で一番、得をする人は誰なんだ?」で犯人にたどり着いてしまいましたし、萌絵ちゃんの犀川先生に気に入られたい一心で起こす行動の数々が、真賀田四季博士には理解不能だったようです。最も頭の良い人間がシリーズの最初を飾るなんてサービス精神旺盛な作者だなと思っていたら、この作品はシリーズの4作目にする予定で出版社に提出したところ、インパクトがあるから1作目になったそうです。実際その判断は正解だと思います。やっぱり面白いネタは出し惜しみしたらダメですよね。この作品を読むとエンンジンが一気にかかって、次作も読みたいと思えました!もう5作目まで買いましたし、四季シリーズも読み始めました!最後は犀川先生と萌絵ちゃんの関係がどうなるのか楽しみです!!





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最終更新日  2024年04月15日 00時05分24秒
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