カテゴリ:諸事一般
「冷凍ギョーザによる農薬中毒問題」が世間を騒がせているが、まず該当「ギョーザ」を販売する企業のHPに掲載されたお詫びの一部を紹介する。
【弊社子会社のジェイティフーズ株式会社が輸入販売する冷凍食品の一部をお召し上がりになったお客様において、嘔吐・めまい等を伴う重大な健康影響が発生いたしました。千葉県警察等の発表によれば、当該商品において、有機リン系殺虫剤が検出されたとのことです。】(【】内は該当企業HP/http://www.jti.co.jp/JTI/apology.htmlからの一部引用、2008年2月3日現在) 一見、もっともらしい「お詫び文」と見えるかも知れないが、巧みな「責任逃れ」とも受けとられかねない文言が入っているのだ。それは、「輸入販売する冷凍食品」の部分だ、確かに海外で生産された物を該当企業が輸入し販売しているのは事実だが、これだけの表現では正確ではないだろう。 何故なら、実際に製造・包装しているのは中国の一企業だが、製造・包装している商品そのものは「ジェイティフーズブランドの製品」なので、顧客である日本の消費者もけっして中国企業の製品を購入しているわけではない。「ジェイティフーズ」やその親会社である「JT:日本たばこ産業株式会社」のブランドを信用して購入しているのだ。おそらく、中国企業の名を冠した商品では、売り上げにも大きな違いが出ているだろう。 だから、お詫び文をより正確に表現すれば、「ジェイティフーズ株式会社が、中国において委託製造したものを、日本国内で販売する冷凍食品」となる。こうした、海外生産の日本製品(日本ブランドの製品)は数多く、例えば家電製品などにも数多く見られるが、それらの製品を「××社(仮名)が輸入販売しているテレビ」などと称することはほとんど無い。 前記の文言が「責任逃れ」と思われる理由を、さらに確かめる上で該当企業のHPに掲載された別の一文を次に引用する。【安全・安心な原料を軸に、研究・開発力を活かした商品を展開する加工食品事業。】(【】内は該当企業HP/http://www.jti.co.jp/JTI/outline/food2.htmlからの一部引用、2008年2月3日現在) 要するに、該当企業は消費者に対して、「安全・安心」を保証することを、該当企業のブランドを付加することにより確約しているのだ。だから、今回の農薬中毒が発生してからの対応の拙さや、実際に製品を製造する中国企業に対する指導・監督などの、「ジェイティフーズ」本体の安全管理面での不十分さを曖昧にするような「お詫び」では、こうした事例の再発は防げないだろう。 現状として、中国製品に対する不安は小さくはないが、そのような危惧のある外国企業に丸投げするような製造の仕方をして、企業利益を追求するような企業戦略に対して、消費者である国民は冷静で厳しい目を向けていく必要があるだろう。消費者は、ブランドの責任で「安全・安心」が確実に保証されるなら、たとえどの国で製造された製品であっても、購入し続けるだろう。 なお、今日あたりから流され始めているテレビスポットでは、「輸入販売する」などの文言が無くなっているが、少しはマシだが、基本的には該当企業の誠意が見えたようには感じられない。 (この記事につきましては、一切のコメントをご辞退させていただきます。) エッセイは、次のページでいろいろ掲載しています。 遊邑エッセイ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.02.05 06:36:52
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