テーマ:子どもと教育問題(292)
カテゴリ:教育一般
ネットニュース検索結果の一つに目が留まった。【小学3年生くらいから、だんだん難しい説明文がテキストに出てきます。言葉が難しかったり、興味のない内容だったりすると、2、3行読んだだけで、「ムリ、意味不明!」というように拒絶してしまうお子さまも少なくないと思います。(中略)さて「説明文を正確に読み取り、意味を深く理解するにはどうしたら良いか?」というご質問ですが、結論から言えば、「説明文に慣れること」です。文章の構造や接続詞の使い方は塾や参考書で勉強していると思いますので、あとは多くの文章を読んで慣れることが大切です。】(【】内は記事から一部引用、Google ニュース/MSN産経ニュース:2008年9月19日)
算数や数学の応用問題が苦手とされる日本のこどもたち、その原因のひとつに、「設問の意味を読み取れない」と言うことが考えられる。記事は、その一端を物語っていると考えられる。ただ、中学受験の小学三年生の親の質問に、ある入試研究所の先生が回答している事とは言え、「文章の構造や接続詞の使い方は塾や参考書で勉強している」の記述は気になるところだ。 私自身の小学三年生の頃(1950年代)を思い返しても、「塾も参考書」も全く無縁で、おそらく大多数の同年代のこどもたちも、当時は私と同様だった。しかし、当時でも説明文を正確に読み取れないこどもたちも当然いたが、印象としては少なかったように思われる。それでも、今ほど深刻な状況ではなかった。 中学受験を目指しているこども達と言えば、おそらく学校での成績も悪くは無いだろう。しかし、記事のように説明文が「ムリ、意味不明!」となるのは、どうしてだろうか。それだけ、中学受験向けの「テキスト」の「読解問題」の説明文が難しすぎるのだろうか。(記事に、「テキスト」とあるので、学校の教科書ではないと判断した。) この相談の解決方法としては、記事には「説明文に慣れるために「ゲーム性」を入れる」とある。そして、楽しみながら「説明文に慣れること」を、回答者はひとつの例をあげて説明しているが、そういう方法もあるかと思いつつも、どこか納得できないところもある。 そうした特別の手立てをとってまでしないと、理解できないような「説明文」そのものに問題は無いのだろうか。その年齢で理解できる「説明文」であったとしたら、「文章の構造や接続詞の使い方は塾や参考書で勉強している」にも拘らず何故理解できないのだろうか。 どちらにせよ、「ゲーム性」を取り入れて「説明文に慣れること」だけでは、「ムリ、意味不明!」の本質に迫れないと思っている。例え、受験のために「説明文に慣れること」は成果があるにしても、そうした解決策は、その場しのぎの策に過ぎないだろう。 なお、記事の表題には、[中学受験合格言コラム]とあるが、この記事により現在の中学受験の実態の一断面を垣間見ることができた。決して長くは無い記事だが、そこには「どこか変!」と思わせる内容が詰まっていた。少なくとも、「塾や参考書」とはほぼ無縁の小学生時代を楽しく過ごした(あそんだ)私にとっては。 エッセイは、次のページでいろいろ掲載しています。 遊邑エッセイ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.21 21:09:36
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