テーマ:子どもと教育問題(292)
カテゴリ:教育一般
(その1からの続き) 脳内に「正しい答え」の回路を太らせる事を反対側から見れば、「間違った答え」の回路を無くせばいいのだが、一旦出来上がった回路は完全に消滅させる事は難しい。そこで、「間違った」回路を可能な限り細くすることが次善の策となる。そのためには、その「間違った」回路を出来る限り使わないようにすることだ。 正しい「答え」を覚えきっていない事を、問題集などで誤りを繰り返すよりも、教科書などで「正答」を見ながら、何回も繰り返し紙に書いて(出来れば声に出しながら)覚える方がいい。例えば、「Znは何か」を何度も間違えるよりも、「Znは亜鉛(ゼットエヌはあえん)」と、声に出しながら最低でも10数回程度、紙に書いて覚えるといい。 この一見面倒くさい方法を勧めるのには訳がある。書いて手で覚え、それを見て目で覚え、声を出して口で覚え、それを聞いて耳で覚える事になり。正しい「答え」への回路を単に太くするだけでなく、その回路への色んな取っ掛かりある回路を、太くつくる事にもなる。重層な記憶の仕方とも言える方法なので、ぜひ試していただきたい。 今、注目を浴びている「100マス計算」も、完全に足し算や「九九」を覚えていない時に繰り返すのは懸命な方法ではない。まず最初は、ざっと「100マス計算」を時間を気にせずやって見て、間違った個所を見つけるようにする。次に、その間違った個所を正答を見ながら何回も紙に書いて覚えればよい。一通り、正しい答えを覚えた後で、「100マス計算」をやり、また間違えばその個所を徹底して覚え、そして「100マス計算」を、と言うように繰り返し行えばいい。 この間違った個所を徹底して覚えると言う、「100マス計算」以前の課題を抜きにして、「100マス計算」を繰り返すと、間違った回路を脳内で太らせる事となり、「100マス計算」の効果を台無しにしてしまう。「100マス計算」などの反復練習は、誤答への正しい手立て(対策)を十分にとった場合でのみ効果を上げるのだ。 (その3に続く) エッセイは、次のページでいろいろ掲載しています。 遊邑エッセイ ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.11.25 17:19:44
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