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あそびはこどもの仕事やで!:遊び学ブログ

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2009.05.20
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カテゴリ:教育一般

 【保育園と幼稚園、小学校の教育内容の「一貫化」をめざして、品川区教育委員会は13日、「保・幼・小連携の推進に関する検討委員会」を発足させた。小学校入学前(5歳児)から小1前期にかけての「接続期」を対象に、区独自のカリキュラムを来年9月をめどに作ることを想定。11年度からの小学校の教育課程に反映させたい考えだ。(中略)区教委によると、課題の一つは「学びへの興味・関心、感覚を養うことや、小学校での意欲的な学習につなげることを意図した遊びの充実」。また、道徳や総合学習を一体化した区独自の小中学校の科目「市民科」への接続をにらんで、「規範意識や道徳性の芽生え」と「情緒の安定や豊かな人間関係」を培う指導の充実も挙げている。 初会合では、委員から、「早期教育とは違うが、今まで通りの遊びだけというのも違う」「親の意識をどう変え、どうかかわってもらうかが大事」といった意見が出た。】(【】内は記事から一部引用、Google ニュース/朝日新聞:2009年5月19日)

 記事は、このブログでも長めの連載で私見を述べた、いわゆる「小1プロブレム」に「対応するのが狙い」と言う事で、ざっと読めば意義のある品川区教育委員会の施策と思われるかも知れない。しかし、前記の私見で述べた事を考慮すると、果たして「小1プロブレム」の解決に至るのかどうかの疑問がある。それどころか、へたをすれば保育園や幼稚園における「5歳児プロブレム」を招く心配すら感じる。

 そうした疑問や心配がおきる理由は、前記の連載ブログ記事を参照していただく事として、今回は記事に報道されている、品川区教育委員会やその委員の考え方について考察していく事とする。

 まず、記事でも最初にあげている課題、「学びへの興味・関心、感覚を養うことや、小学校での意欲的な学習につなげることを意図した遊びの充実」だが、あそびの意義を取り上げている点で、一見すれば、このブログで紹介した私見と同じ考えの様に見える。確かに、あそびが「学びへの興味・関心、感覚を養うことや、小学校での意欲的な学習につなげること」に大きく寄与する事は同感だ。

 しかし、それはこどもたちがあそんだ結果であって、あそびはあそび以外の目的(例えば、前記の「」内の意図)を一切持たないのが本来の姿だ。かけだしの学童保育指導員だった頃の私がそうだったように、あそびにあそび以外の何らかの目的を持たせて、こどもたちを「あそばせる」事は、様々な問題を生じさせる事もある。特に、こどもの意思に反して、無理強いするような「あそび」(これは、もはやあそびでなないのだか)は、結果として、そのあそびに持たせた目的を達成できない事が多い。

 もちろん、あそびを適切に導入すれば、上記の意図も十分に良い結果をもたらせるが、残念ながらこうした取り組の全てが、効をそうするとは限らない。特に、特定の教科や課題を意図した「あそび」や、全てのこどもたちに対して同じ「あそび」のあせった導入は、その目的の達成を難しくする。

 あそびにより、「学びへの興味・関心、感覚を養うことや、小学校での意欲的な学習につなげること」を期待するなら、こどもたちが自主的・自律的にあそべるような条件作りこそ、おとなが手を差し伸べてあげなければならない事だ。そのためには、教育委員会や教師などの学校関係者だけでなく、こどもたちの保護者を含めた、地域ぐるみのおとなの援助が必要となる。
(続く)

「こどものあそび(遊び方)」は、次のページでいろいろ紹介しています。

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最終更新日  2009.05.20 16:12:52
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