マスP文庫

2021/02/11(木)00:00

ファンタスティック・パロダイス ~ ヤマタノオロチ

ファンタスティック・パロダイス(21)

古事記に記されているヤマタノオロチという出雲を舞台にした古い神話をご存知だろうか?神の国を追われたスサノオがこの地を訪れた時、八つの頭と八つの尾を持つヤマタノオロチという巨大な蛇がこの辺りを荒らし回ったため、毎年ひとりずつ若い娘を生贄として差し出してこれを沈めようとした村人達のためにスサノオはこの蛇に酒を飲ませて眠ってしまった隙に首を切り落として退治したという話である。しかしここで考えてもらいたい。大酒飲みの事をうわばみ(大蛇の事)と言う。果たしてこの巨大な大蛇が少々の酒を飲んだくらいで酔って寝てしまうだろうか?更に酔って寝てしまっても首が切り落とされるのである、他の首がその痛さに気付かない訳がない。そこでいつもの如く私が調べたところ、史実と若干違っていたのでお知らせしたい。確かにスサノオは大量の酒をヤマタノオロチの八つの頭それぞれに飲ませたのだが、そこは先程も言った通りの大うわばみ、思惑通りには酔い潰れずにすっかり出来上がってしまった。スサノオははたと困ったが、この恐ろしい化け物、実はメスである事に気付き、スサノオはある計略を思い付いた。彼は何と一つの頭に近づくと言葉巧みに言い寄りおだてまくった。すると他の七つの頭がやきもちを焼いたので彼は次の頭の所に行き、「本当は君が一番だと思っている。」と耳打ちした。こうして最初の頭までこれを繰り返したのである。すると女という者、自分が一番と思っているから、そのうち自分こそが他の七つを押しのけて最も美人だと言い張り出した。果ては罵り合いの中傷合戦に発展し、最後には噛むは絞めるはの大乱闘。やがてへとへとに疲れて最後に残った一頭の首を首尾よくはねて退治したのだった。しかし、いくら相手が化け物でも女心を巧みに操り、内輪喧嘩させたそのやり口が、追放された神と言えども好ましくないと冒頭にご紹介した様な筋書きに変えられたらしいのである。まさに、真実は小説よりも奇なりである。注意!! これはマスPのまったくのパロディです。信じてはいけません。ましてや他の人に受け売りで知ったかぶりすると後で恥をかきますのでご注意下さい。

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