テーマ:サッカーあれこれ(19823)
カテゴリ:J1
平山相太といえば、オランダから帰ってきた際の余りにも不甲斐無い帰国っぷりを皮切りにかなりぼろくそに言われている。
正直、ここに良く来られる方は十分認識していると思うが、俺は宮本や高原のプレーが嫌いだし、そういう好き嫌いは確かに全ての人間にあるものだし、嫌いなものを好きになれと言いたい訳でない。 しかしながら、メディアが取り上げやすい、格好のネタだからといって、それに乗じているかのごとく平山に対する印象を悪くしている事が気に入らない。彼が先日のアジア大会で素晴らしいヘディングゴールをあげたとしてもその評価が変わることが無い。つい最近では、川淵キャプテンが平山に対し、『若手が成長するには原監督はいい。しかし平山は来年が勝負。1年でダメならもうダメだ。』というコメントを発しているがこの言葉にも異を唱えたい。 1年でダメというのは、そのくらいの気概をもって欲しいという意義で述べている事でもあるだろうが、言葉自体には、日本サッカーのトップがダメという烙印を与える解釈が当然にできる訳で、彼の人生についての配慮も無ければ優しさすらも感じ得ない。仮に、代表では使えないレベルだ。というのであればそれは理解できるのだが。この判然としないダメという言葉自体には、彼をマイナスの方向へ誘う、マスコミの格好のネタを提供しているだけに過ぎない。 もし、今後彼がゴールを量産したらどうするのだろうか。 すぐに手のひらを返し、彼は成長したという言で片付ける。 選手はロボットではなく人間である。怪我もすれば、成長もする。それはわかる。しかし、常にその出来は、その時々の選手個人の心身と共に、チームの状況も含めて複雑に左右するのである。 それすら考慮せず、彼の精神が軟弱だと語る人間は、自分をどう解釈した上で、平山を断じているのか理解できない。ネタならネタで笑えるものならそれでいいと俺は思うが、そうでない人が多いと感じる。勿論、彼の明るく大らかな面や遊び人気質といった所がマスコミに格好のネタを提供している点もある。だが、遊ぶのが悪い事なのだろうか、髪を赤くし、高級車を買う事に何の問題があろうか。広告看板を蹴り倒して、問題があったから反省し、賠償金を払った事の何が悪い。それを味方である監督も含めて野次る事の方が俺には余程性根が捻じ曲がっていると倉又氏に思う。 悪い、悪いと言っている人に対し、Jリーガーには聖人君子以外になってもらいたくないという理想をけなそうと思ってる訳ではないが、格闘技、戦争と形容される事の多いサッカーというスポーツにおいて、聖人君子だけがピッチの上にたっているべきでないと俺は思う。 実際、戦う精神力という点では隣国の韓国の足元にも及ばない。その日本の選手を甘やかし、弱い精神性を持たせたのは、誰であるのか。そんなに完璧な人間だけが応援されるべきなのか!?これはボクシングの亀田にも言えること。散々、マスコミにのせられていて応援していただけの人間がマスコミが方向転換すると、それに伴い批判をする側にまわる。自分がマスコミに踊らされているだけと何故思わないのか。元々、嫌いな人が批判することを責めているのではない。そうではなく何故、自分の目を持って判断し、行動できないのだろうと思う。 自分の周りの人間を見回せば、素晴らしい人ばかりなのだろうか。人間は千差万別の性格と考えを持っている。それを誰かが悪いといったからといって便乗して、一体何になるのだろう。性善説とか性悪説とかそんな類の話ではなく、いろんな人間がいて当たり前のサッカー界において、いろんな人間がいて然るべきなだけで、それは誰が何と言おうともいろんな人間がそこに存在するというだけの事である。それを笑うもけなすも構わない。しかし、自らの目を持って判断すべきではないかという事を言いたいのだ。マスコミのレベルが低下したと一様にいう反面、自らマスコミに流された判断・行動はそろそろやめたらどうだろうか。 それではナチスに操られたドイツ国民と同じでしかないと俺は思ってしまう。 話は相当に反れてしまったが、平山が残したオランダでの8ゴールは日本人FWの中で最も素晴らしい結果である。しかも、ヘラクレスという弱小チームでの結果である。その結果は、ドイツとオランダというリーグのレベルを差し引いても高原を既に抜いている質なのである。 まぁ、アジア大会における彼の動きは、相変わらず遅く、プレーエリアも絞られている。しかし、それは逆に言えば彼のプレースタイルで、ヘラクレスでもやっていた事なのだ。彼が高校時代から輝いてきたのは、その身長を武器にした高さである事は言うまでも無い。ヤナギのように動き出しで回りも自らも活かすような選手でもなければ、パスをクロスを待ち、タイミングと嗅覚で勝負する寿人や播戸でもなければ、スピードやドリブルを武器に突破するジュニーニョでも無いのだ。だから、彼を使うならその高さを活かすのが戦術と言える訳である。彼を活かせなかったのは反町監督であり倉又氏である。ヘラクレスであれだけ輝いていた選手を使いきれなかったのは、勿論平山の状態も少なからずあるのだろうが、結局は使い方が下手なのである。それを考えず、サポートも少ない彼について、ドリブルも無ければ足も遅いし、大して動かないと言っては、彼を理解していない発言でしかない。高さでポストにもなり、ゴール前に張るから意味があるのが彼なのだ。 もう一度言うが、一長一短、全てに好みがある。 平山を好きになれと言っているのではない。ただ、手のひらを返すなよと言いたいだけの事なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[J1] カテゴリの最新記事
|
|